エドモンド・デ・アミーチス

エドモンド・デ・アミーチス（Edmondo De Amicis、1846年10月21日 - 1908年3月11日）は、イタリア王国の作家として知られています。

生涯

彼はイタリア北西部（当時サルデーニャ王国領）のオネッリア（現在のインペリア市の一部）で生まれました。イタリア統一運動の時代に育ち、幼い頃から愛国心に燃えていました。1860年、14歳の時にジュゼッペ・ガリバルディ率いる千人隊（赤シャツ隊）に志願しますが、年齢を理由に断られています。このエピソードからも、彼が強い愛国心を持っていたことがうかがえます。

作品

アミーチスの代表作は、1886年に発表された『クオーレ』（Cuore）です。この作品は、統一されたばかりのイタリアの子供たちの教育を目的に書かれた愛国小説であり、「愛の学校」というサブタイトルが付けられています。

『クオーレ』は、主人公である少年エンリコの目を通して、学校生活や家庭、社会における様々な出来事が描かれています。友情、勇気、努力、博愛といった普遍的なテーマが、感動的なエピソードを通して語られており、子供たちの道徳心を養うことを目的としていました。

この作品の中の挿話短編「アペンニーノ山脈からアンデス山脈まで」（Dagli Appennini alle Ande）は、特に有名です。イタリアからアルゼンチンへ出稼ぎに行った母親を少年マルコが探しに行く物語で、日本では『母をたずねて三千里』というタイトルでアニメ化され、広く知られています。この物語は、母子の愛情、少年マルコの勇敢さ、そして異文化との出会いを描き、多くの人々に感動を与えました。

『クオーレ』は、教育者である三浦修吾によって初めて日本語に翻訳されました。この翻訳を通して、日本の読者もアミーチスの作品に触れ、その愛国心や人間愛に共感しました。

アミーチスの作品は、単なる愛国心の鼓舞にとどまらず、人間としての普遍的な価値を問いかけるものであり、今日においても多くの人々に読み継がれています。彼の作品は、子供たちの教育だけでなく、大人たちにとっても、大切なことを思い出させてくれるでしょう。

外部リンク

アミーチス エドモンド・デ：作家別作品リスト - 青空文庫
イタリア語版ウィキソースには、エドモンド・デ・アミーチスに関連する原文が掲載されています。

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