エドワード (きかんしゃトーマス)

エドワード

エドワードは、英国の子供向け絵本『汽車のえほん』およびその映像化作品『きかんしゃトーマス』に登場するテンダー式蒸気機関車です。彼はノース・ウェスタン鉄道に所属し、青色の車体を持つ2号機という設定です。エドワードはシリーズ初期からのキャラクターであり、その登場によって多くの物語が展開されています。彼の特徴的な独特の一人称「僕」と、二人称「君」は日本語版における彼の親しみやすさを示しています。

概要とキャラクター設定

エドワードは遅れて登場する機関車の中で珍しく、小柄でありながらも優しさと教訓を与える存在です。彼は基本的には好意的な先輩が多い中で信頼されている存在で、他の機関車たちの問題を解決したり助言を与えたりすることが多いです。しかしながら、シリーズ全体において彼が主役となる話は少なく、彼の登場は他のキャラクターと比べると控えめです。このため、アニメシリーズの制作陣はエドワードに対する役割を評価することが難しく、結果として長編第1作『きかんしゃトーマス 魔法の線路』には登場しませんでした。また、第22期以降は準レギュラーキャラクターに位置づけられています。

性格の特徴

エドワードの性格は非常に穏やかで、友人や仲間に対して親切に接する姿勢が強調されています。彼は物事に対して真剣に取り組む勤勉な性格であり、所々で他の機関車に対する親切な声をかけています。エドワードは牽引力が強くないものの、彼の知識と経験は彼を特別な存在にしています。彼の優しさや理解力に対して仲間たちの信頼は厚く、しばしば相談役としての役割も担っています。

誕生の背景

エドワードの誕生にまつわるエピソードは感慨深いもので、1942年にウィルバート・オードリー牧師が麻疹にかかり外に出られない息子クリストファーのために、彼と同じように閉じ込められた蒸気機関車の物語を語り始めたことがきっかけです。オードリーは即興で「エドワード」と名付け、この機関車の物語は彼の想像力から生まれました。

原作の歴史的背景

エドワードは1896年にファーネス鉄道のK2形蒸気機関車として製造され、当初は信頼性のある機関車ではありませんでした。彼は1915年にノース・ウェスタン鉄道に関与し、そこでの運用を経て、適切なメンテナンスと改造を受けることで信頼される機関車に成長しました。これらの背景により、エドワードは自分の運命を切り開いてきたと言えるでしょう。

運用に関する情報

エドワードは通常、ウェルスワースからブレンダムの港を結ぶ支線で旅客および貨物の両方を運用しており、この支線は通称「エドワードの支線」と呼ばれています。彼は時折本線も走行し、貨車や客車の整理作業や、支線の傾斜を登る他の機関車を助ける補助機関車としても活躍しています。特に、彼は貨車の扱いが得意で、今まで事故を起こしたことがないという優れた実績も持っています。

モデルとビジュアル

エドワードのモデルとなる機関車はファーネス鉄道で走行していたK2形蒸気機関車です。このK2は1896年から8台が製造されましたが、後に廃車・解体される運命を辿ります。エドワードのデザインにはさまざまな版が存在し、最初のスケッチや資料集の影響を受けた改良が見受けられます。特に彼を模した模型は、オードリー牧師が自身の趣味として制作したもので、現在はタリスリン鉄道に保管されています。

テレビ版における扱い

エドワードはテレビシリーズ初期から登場し、多数のエピソードで主役として描かれましたが、近年では脇役的な地位を強いられており、台詞を持たない背景キャラクターとしての登場が主となっています。また、キャラクターデザインの変更も見られ、特に2021年以降のフルリニューアル版では年配感や軸配置の変化が強調されています。彼の声優は、英国版でキース・ウィッカム、米国版でウィリアム・ホープ、日本版で高戸靖広から佐々木望へと変更されており、時代の流れに合わせて彼のキャラクターも変化しています。

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