エドワード・スミス＝スタンリー (第14代ダービー伯爵)

第14代ダービー伯爵エドワード・ジョージ・ジェフリー・スミス＝スタンリーの生涯

エドワード・ジョージ・ジェフリー・スミス＝スタンリー（1799年3月29日 - 1869年10月23日）は、イギリスの保守党の政治家であり、3度にわたり首相を務めました。彼は第13代ダービー伯爵エドワード・スミス＝スタンリーの長男として、イングランドのランカシャーのノウズリー・ホールで生まれました。教育はイートン校を経てオックスフォード大学クライスト・チャーチで受け、1820年には庶民院議員に選出され、それ以降の政治生活が始まります。

政治経歴の初期

エドワード・スタンリーは、ホイッグ党に所属し、1830年にはアイルランド担当大臣として入閣しました。しかし、1834年にホイッグ党の方針に異を唱えて辞職。その後、彼はホイッグ党から離れ、ダービー派を形成しました。1837年には保守党に加入し、1841年に保守党政権の陸軍・植民地大臣に任命されました。この時期、清国との折衝や植民地問題にも関与し、イギリスの名誉を高めるための政策を進めました。

保守党党首としての役割

1846年、穀物法の廃止問題において、エドワードは保守党の党首に選出されました。以降の内閣は短命であり、彼は1852年、1858年、1866年にそれぞれ首相を務めましたが、いずれも少数与党の政権であったため、ベンジャミン・ディズレーリに影響を受ける形となりました。1852年に組閣するも、予算案が否決され同年内に辞任。さらに1858年、1866年と続くも、結果的に安定した政権を築くことができませんでした。

第3次内閣と選挙法改正

1867年には再び内閣を組織しましたが、この内閣でも選挙法改正が大きな課題となりました。彼とディズレーリは、選挙権の拡大を進めることで国内の政治的不安を解消しようとしました。最終的に、選挙法は改正され、有権者数が大幅に増加する結果となったものの、ダービー伯爵自身は健康を害し、政治活動から徐々に身を引くこととなりました。

晩年と死

ダービー伯爵は、健康上の理由から1868年に首相の職を退任しました。退任後は主にノウズリー・ホールで余生を送りましたが、1869年には最後の力を振り絞って貴族院に出席し、国教会の廃止法案に反対の演説を行いました。その後、彼は同年の10月23日に亡くなりました。彼の死は、イギリス政治における貴族の影響力が次第に薄れていく中での、ひとつの象徴とも言えるものでした。

人物像

貴族主義的な価値観を持ち、民主主義には懐疑的でしたが、スコットランドやアイルランドにおいては独自の見解を持っていました。また、競馬愛好家としても知られ、エドワード・スタンリーの名を冠した競馬イベントで名を馳せました。その一方で、政治への情熱を持ち続けた彼は、複雑な時代の中で維持されてきたイギリスの政治の一翼を担った人物であったと言えるでしょう。

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