エニウェイ・エニハウ・エニホエア

エニウェイ・エニハウ・エニホエア (Anyway, Anyhow, Anywhere) - ザ・フー

「エニウェイ・エニハウ・エニホエア」は、1965年にザ・フーがリリースした2枚目のシングル（実質3枚目）です。この楽曲は、ピート・タウンゼントとロジャー・ダルトリーという、バンドの主要メンバーによる共作であり、ザ・フーの歴史においても特別な位置を占めています。

解説

前作「アイ・キャント・エクスプレイン」に続き、この曲もイギリスのシングル・チャートでトップ10入りを果たし、ザ・フーの初期の成功を決定づけました。特筆すべきは、この楽曲がタウンゼントとダルトリーの唯一の共作であるという点です。

レコーディングは1965年4月12日から14日にかけて行われたセッションで行われ、ニッキー・ホプキンスがピアノで参加しています。楽曲の中間部には、意図的なハウリング音が含まれており、当時アメリカでは不良品と誤解されることもありました。また、モールス信号のような音は、ギターのピックアップ・セレクターを叩くことで作り出されたもので、次作「マイ・ジェネレーション」でも同様の奏法が用いられています。

タウンゼントによれば、当初この曲はチャーリー・パーカーについて書かれたものだったそうですが、ダルトリーが歌詞を大幅に書き換え、傲慢で自信過剰な人物を歌ったものへと変化しました。当時のマネージャー、キット・ランバートは、この曲を「派手な効果を使わず、欲求不満を音楽的に表現した作品」と評しています。また、この曲は音楽番組「レディ・ステディ・ゴー！」のテーマソングとしても使用されました。

別バージョン

フランスでのみリリースされたEP盤には、ボーカルが別テイクのバージョンが収録されています。このバージョンは、2002年にリリースされた『マイ・ジェネレーション～デラックス・エディション』に、リアル・ステレオ・リミックスとして収録されました。

カバー

この楽曲は、数多くのアーティストによってカバーされています。

デヴィッド・ボウイ - 1973年のカバー・アルバム『ピンナップス』に収録。
アレックス・チルトン - 1994年のトリビュート・アルバム『Who Covers Who』に収録。
トッド・ラングレン - 1998年発売の未発表音源集『Somewhere, Anywhere: The Unreleased Tracks』に収録。
オーシャン・カラー・シーン - 2001年のトリビュート・アルバム『サブスティテュート〜ザ・ソングス・オブ・ザ・フー』に提供。

「エニウェイ・エニハウ・エニホエア」は、ザ・フーの初期のエネルギーと実験精神を象徴する楽曲であり、今日でも多くの音楽ファンに愛され続けています。

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