トッド・ラングレン

トッド・ハリー・ラングレンの音楽史

トッド・ハリー・ラングレンは、1948年6月22日、アメリカ・フィラデルフィアで誕生しました。彼は幅広い音楽活動を展開し、ソロアーティストとしての活動の他に、数多くのバンドやアーティストのプロデュースを手掛けるミュージシャンとして知られています。特に、彼は1970年代から自宅録音を行い、自らすべての楽器を演奏するスタイルが注目されるようになりました。また、ニュー・カーズにも参加したことで、その名がより広まりました。

音楽キャリアの始まり

ラングレンの音楽的経歴は、17歳の時にフィラデルフィアを拠点としたバンド「ウッディーズ・トラックストップ」でスタートしました。その後、1967年に彼は「ナッズ」というバンドを結成し、ここで「Open My Eyes」や「Hello, It's Me」といった楽曲がヒットします。ナッズは1968年から1971年にかけて3枚のアルバムを発表したのですが、トッドと他のメンバーの間で意見の不一致が生じ、1970年には解散してしまいます。

その後、トッドはニューヨークへ移り、アルバート・グロスマンの下でレコーディング・エンジニアとしての仕事を始めます。そして1972年にはアルバム『サムシング・エニシング』をリリースし、シングル「アイ・ソー・ザ・ライト」は全米で16位にランクインするなど、商業的な成功を収めていきました。

プロデューサーとしての影響

トッドは、XTCやバッドフィンガー、ザ・バンドなど、さまざまなアーティストのプロデュースを行ってきました。1970年代から1980年代にかけて、彼のプロデュースにより数多くの名曲が生まれ、その影響力は業界内外で広く認識されています。また、1980年代には日本のアーティストのプロデュースも手掛け、国際的な活動をさらに広げました。特に、オリジナルのサウンドを重視した彼のスタイルは、多くのアーティストから高く評価されています。

パーソナルライフとエピソード

ラングレンはエアロスミスのボーカリスト・スティーヴン・タイラーの娘であるリヴ・タイラーの養父でもあります。リヴの母であるビビ・ビュエルがトッドの元に戻る際、彼はリヴを引き取り、実の娘ではないことを承知の上で育てました。興味深いことに、トッドはリヴの成長と共に彼女がスティーヴンの娘であることを知り、スティーヴンもそれを支援することとなります。

また、彼は自身が所有するギターや音楽機器にも独自のエピソードがあります。エリック・クラプトン時代に使用されていたギブソン・SGを所有していたことで知られ、他のギタリストたちがこのギターを弾きたがって仕事にならなくなったエピソードもあるほどです。

さらに、1989年にリリースされたアルバム『ニアリー・ヒューマン』のジャケットに見られる手形の数が、日本盤で過剰な自主規制により変更されたことも話題になりました。

日本での活動

ラングレンは日本にも多くのファンがおり、1979年から2019年にかけて様々な公演を行っています。特に、2015年の『FUJI ROCK FESTIVAL』への出演や、2016年のリンゴ・スターの来日ツアーに参加したことで、日本の音楽ファンの間でも注目を集めています。

トッド・ハリー・ラングレンは、その音楽的才能と多才なプロデュース能力を併せ持つアーティストであり、今なお精力的に活動を続けています。

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