エニスケリー

エニスケリー：自然と歴史が織りなすアイルランドの美しい村

エニスケリー（Enniskerry, Áth na Scairbhe）は、アイルランドのウィックロー県に位置する人口約2,672人の魅力的な村です。アイルランド語の地名は「荒れた川を渡るための浅瀬」を意味し、その名の通り、自然豊かな場所に位置しています。

地理

エニスケリーは、アイルランド東部のダブリンから約24km南、ウィックロー山地の麓、グレンカレン川沿いに位置しています。R117号線、通称「The Twenty-One Bends」（21のカーブ）が村を通り、ダブリンへのN11号線に接続しています。ダブリンバスの185系統が、村と近隣の主要都市ブレイの間を1時間間隔で運行しており、交通の便も良好です。

アイルランド経済の好況と、美しい山岳風景、そして近隣に位置するパワーズコートの存在が、エニスケリーを人気の観光地へと押し上げました。不動産市場も活況を呈しており、多くの人々がこの魅力的な村に惹きつけられています。

歴史

19世紀、村のプロテスタントの人々は、パワーズコートの敷地内にあった教会に通っていました。第7代パワーズコート子爵マーヴィン・ウィングフィールドは、村に新たな聖パトリック教会を建設し、1861年に完成しました。しかし、1869年のアイルランド教会法の廃止後、パワーズコート子爵は旧教会の所有権を主張。その結果、教会内の墓地に埋葬される権利を持つ限られた人々のみが、その権利を主張できることとなりました。パワーズコート子爵は教会墓地を閉鎖し、カートルスタウンに新たな墓地を提供しました。

パワーズコート

エニスケリーの近郊に位置するパワーズコートの屋敷と庭園は、47エーカーの広大な敷地を誇り、観光客に人気のスポットです。リチャード・カースルズによって設計された18世紀のパラディオ様式の建物は、美しい庭園と調和しています。1974年に火災で焼失しましたが、1996年に大規模な修復が行われ、往時の姿を取り戻しました。

豆知識

パワーズコートの屋敷は、映画「モンテ・クリスト伯」のロケ地として使用されました。
ブレイとエニスケリーを結ぶ鉄道が19世紀に計画されましたが、ブレイ側の橋が建設されたのみで、計画は実現しませんでした。
パワーズコートの滝は、落差121mを誇るアイルランドで最も高い滝です。
エニスケリーは、ウィリアム・シェイクスピア原作、1944年公開のローレンス・オリヴィエ監督映画「ヘンリー5世」のロケ地としても使用され、村人もエキストラとして出演しました。

エニスケリーは、美しい自然、豊かな歴史、そして映画のロケ地としての魅力を持つ、訪れる人々を魅了する村です。アイルランドを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

参考文献

ウィックロー県
パワーズコート

外部リンク

* 公式サイト

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