エヌグ州

エヌグ州の概要

エヌグ州（Enugu State）は、ナイジェリアの南東部に位置する州で、州都はエヌグです。この地は1991年に、旧アナンブラ州の東部を分割して設立されました。エヌグ州の主要な都市はエヌグとンスッカです。

地理

エヌグ州は、かつての東部州の中心的な役割を果たしており、北西にコギ州、北東にベヌエ州、東にエボニ州、南東にアビア州、南西にイモ州と接しています。交通の便も良く、エヌグ市からは主要港のポートハーコート、ワリ、カラバルまで車で約2時間半で到達できます。また、商業都市オニチャまでは1時間、アバまでは2時間、アブジャまで約5時間、ラゴスには7時間で行くことができます。

南部には半熱帯雨林が広がっており、北部に行くにつれて次第にサバンナの風景に変わります。この州にはいくつかの丘が連なり、主な河川としてはアダダ川とオジ川があります。気温は11月に20℃から始まり、2月には最高で36℃に達します。降水量は年間を通じて変動し、2月は少ないものの、7月にはさらなる増加が見られます。

歴史

エヌグという名前はイボ語で「丘の上」を意味します。1909年、イギリスの鉱山技師キクソンがこの地域で石炭を発見し、植民地総督フレデリック・ルガードがその重要性を認識しました。1912年にはポートハーコートまでの鉄道が敷設され、1914年までに初の石炭がイギリスに送り出されました。1970年代には、エヌグの町が開発され、南部ナイジェリアの植民地支配の中心地としての地位を確立しました。エヌグ州の活動は1940年代のエヌグ炭坑の蜂起と結びつき、これはナイジェリアの独立運動の重要な一歩とされています。

また、エヌグ州にはジョージア調の建物が並ぶ旧白人居留地が存在し、現在でも「政府居留地」（Government Reserved Area, GRA）と呼ばれています。エヌグは南部ナイジェリアの行政の中心とされ、州の分割を経て、最終的には1996年にエボニ州が誕生しました。

行政

エヌグ州の行政においては、2008年時点でサリバン・チメが知事を務めていました。彼は前知事チマロケ・ンナマニのもとで州法務長官としての経歴を持っており、地方行政区として17の地方行政区（LGA）が設けられています。

経済

エヌグ州の経済は主に農業に支えられていますが、商業（18.8%）やサービス業（12.9%）も活発です。電力供給は安定しており、オジ川には水力発電所も存在します。国営電力公社（NEPA）の民営化が提案されており、州政府は経済的な発展を目指して投資拡大を図っています。

教育

教育環境も整備されており、全てのコミュニティには初等中等学校が設置されています。ナイジェリアで初の自主的な大学であるナイジェリア大学（UNN）がンスッカにあり、さらにエヌグ州立科学技術大学、経営技術大学（IMT）、エヌグ教育技術大学、カリタス大学、ルネサンス大学など、さまざまな高等教育機関が存在しています。また、コンピュータ学校や技術訓練校もエヌグとンスッカに集中しています。

医療

医療機関も多く、ナイジェリア大学研修病院（UNTH）やエヌグ大学研修病院などがあります。これにより、地域住民は質の高い医療サービスを受けることができています。

民族構成

エヌグ州の人口は約320万人で、その95%がイボ民族です。また、イガラ族など他の民族も存在しています。このように、エヌグ州は文化的に多様性に富んだ地域でもあります。

もう一度検索