ポートハーコート

ポートハーコートの概要

ポートハーコートは、ナイジェリア連邦共和国のニジェール・デルタ地域に位置し、リヴァーズ州の州都です。この都市は、工業やペンテコステ派のキリスト教徒の活動が盛んな場所であり、近年では近隣地域から多くの人々が流入し、人口は2004年の1,133,400人から2005年には1,148,753人へと増加しました。

歴史

もともとポートハーコートはイボ人とイジャウ人の住む土地であり、イボ人はこの地を「イグェ・オチャ」と呼んでいました。1912年にイギリスによって石炭の積出港として開発され、ハーコート子爵の名前にちなんで「ポート・ハーコート」と名付けられました。実際の港の役割は、エヌグからボニー川を経由して運ばれる石炭の積み出しでした。1926年には北部のカノまでの鉄道が開通し、物流機能が強化されました。

産業

ポートハーコートは、1970年代から石油産業が発展し、ナイジェリアの主要な石油精製都市となりました。1958年にシェルによるオゴニ地域での原油採掘が始まり、それに伴ってアジップ、エルフ、BPといった企業も進出してきました。しかし、環境問題が多く地元住民の利益が十分に還元されていないため、これらの企業はしばしば批判を受けています。さらに、1995年にはオゴニの活動家・ケン・サロ＝ウィワがシェルとナイジェリア政府に対して訴え、処刑される事件もありました。

イジョ族によるニジェール・デルタ解放運動も報じられており、外国系企業への攻撃や外国人の誘拐事件が頻発しています。ポートハーコートは三角州の地形において、釣りや魚市場が盛んでしたが、環境悪化が影響を与え、以前のにぎわいが薄れつつあります。市内にはポートハーコート石油精製会社(PHRC)や各種関連企業のオフィスが存在し、都市の経済の中心となっています。

教育と文化

ポートハーコートには、ポートハーコート大学やリバーズ州立大学、イグナティウス・アジュル教育大学など複数の教育機関があります。また、美術館や文化施設が点在し、地域の文化交流の場となっています。

気候

ポートハーコートは、熱帯モンスーン気候に特徴づけられ、多湿で降水量が多い地域です。特に雨季には降水量が増え、湿度も高くなります。

交通

ポートハーコートにはポートハーコート国際空港があり、多くの国内外の便が運航されています。また、鉄道も整備されていて、マイドゥグリとの接続が可能です。この地域はかつてラゴス行きの列車が運行されていましたが、2000年以前にそのサービスは廃止されています。さらに、フェリーも運航されており、ネンベ、ボニー島、ブラス島などへのアクセスが可能です。

姉妹都市

ポートハーコートはアメリカ合衆国ミズーリ州のカンザスシティと姉妹都市提携を結んでおり、両都市間の交流が行われています。

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