エヌ・ティ・ティ・ドコモ東海

エヌ・ティ・ティ・ドコモ東海（NTT DoCoMo Tokai）

エヌ・ティ・ティ・ドコモ東海、一般に「NTTドコモ東海」として知られるこの企業は、かつて日本の東海地方において重要な通信サービスを提供していた事業者です。元々、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの完全子会社であり、地域に密着した独自の展開をしていましたが、現在ではNTTドコモの東海支社としての位置づけとなっています。

事業区域

エヌ・ティ・ティ・ドコモ東海の提供するサービスの対象は、愛知県、静岡県、岐阜県、三重県の4つの県でした。これらの地域で広範囲な通信サービスを展開しており、地域の通信市場において大きなシェアを持っていました。

契約状況

2007年7月末時点では、エヌ・ティ・ティ・ドコモ東海の携帯電話とPHSの契約数は合計で554万人を超えていました。具体的には、携帯電話契約が547万7200件で、市場シェアは45%に達していました。その内訳は、FOMA契約が419万8600件、mova契約が127万8600件となっています。同期間において、他の事業者との競争状況は、auが29%、ソフトバンクモバイルが25.2%、ツーカーが0.8%のシェアを持っていました。また、PHS契約数は2万6900件で、こちらはウィルコムが93%のシェアを占めていました。

沿革

エヌ・ティ・ティ・ドコモ東海の歴史は1991年に設立されたエヌ・ティ・ティ移動通信企画東海株式会社に始まります。1993年には社名を変更し、エヌ・ティ・ティ東海移動通信網株式会社として新たなスタートを切りました。翌年には「デジタル800MHz帯サービス」、後のmovaサービスの提供を開始し、以降も様々な新サービスを展開しました。

1998年にはPHS事業も譲受し、2000年にはエヌ・ティ・ティ・ドコモ東海へと社名が変更されます。そして2001年からは名古屋市周辺でFOMAのサービスが開始され、2004年にはポケットベルの新規加入を終了、2005年にはPHSの新規加入受付も停止するなど、時代の変化に応じた事業運営が行われました。最終的には2008年1月にPHS事業からの撤退が決定され、同年の夏には親会社のエヌ・ティ・ティ・ドコモに併合され、正式に解散しました。

広告とイメージキャラクター

エヌ・ティ・ティ・ドコモ東海は2004年頃まで独自のCMを多く制作しており、その後全国的な統一版に移行しました。また、イメージキャラクターには篠原ともえや上原多香子、上戸彩といった著名な有名人が起用され、地域に親しみをもたらしました。特に静岡支社では「ドコモン」というキャラクターを作成し、地域限定のiモードサイトなどでも親しまれていました。

その他の情報

名古屋市中区栄のスカイルに設置されていたFOMAの看板は、東海地方最大の大きさを誇り、多くの人々の目を引いていました。

エヌ・ティ・ティ・ドコモ東海は、地域通信市場における重要な役割を果たしてきた企業であり、その影響力は今なお地域の人々の記憶に残っています。

もう一度検索