エネルギー省 (タイ)

タイ王国エネルギー省について

タイ王国エネルギー省（Ministry of Energy）は、国家のエネルギー政策を統括する重要な政府機関です。2002年に設立され、エネルギー大臣が省の長として指揮を執っています。

設立の背景

エネルギー省の前身は、1992年に設置された国家エネルギー政策委員会（NEPC）の事務局として機能していたエネルギー政策企画事務局（EPPO）です。当時は、エネルギー行政委員会（CEPA）やエネルギー保全振興基金（ENCON Fund）も存在し、エネルギー政策の策定と執行を支援していました。

しかし、各省庁にエネルギー関連部署が分散していたため、政策連携に課題がありました。そこで、2001年にタクシン政権が関連部署を統合しエネルギー庁に格上げし、さらに2002年に省として再編されました。これにより、エネルギー政策企画事務局はエネルギー省の一部局となり、同時に国家エネルギー政策委員会などの事務局機能も維持されました。

エネルギー省の役割

エネルギー省は、タイのエネルギー政策全般を監督し、以下の主要な任務を担っています。

エネルギー政策の策定と実施: 国家のエネルギー需要と供給のバランスを考慮し、持続可能なエネルギー政策を策定します。
天然燃料資源の開発: 石油、天然ガスなどの天然資源の開発と管理を行います。
代替エネルギーの推進: 再生可能エネルギー（太陽光、風力など）の利用を促進し、エネルギー源の多様化を図ります。
エネルギー効率の向上: エネルギー消費の効率化を推進し、省エネルギー技術の導入を奨励します。
エネルギー事業の監督: エネルギー関連企業を監督し、公正な競争環境を確保します。

東日本大震災への支援

2011年の東日本大震災発生時には、福島第一原子力発電所の事故により電力供給が困難になった日本に対し、ガスタービン発電機2基を無償で貸与しました。この支援は、長年にわたる日本とタイの協力関係を象徴する出来事でした。

組織構成

エネルギー省は、以下の部局で構成されています。

大臣官房
次官事務局
エネルギー政策企画事務局（EPPO）
天然燃料局
代替エネルギー開発・エネルギー保全局
エネルギー事業局

また、省関連の公社として、タイ発電公社（EGAT）、タイ石油公社（PTT）、バーンヂャーク石油公社などが挙げられます。さらに、エネルギー基金機構（EFAI）などの公共機関も関連しています。

所在地

エネルギー省は、以下の場所に位置しています。

17 ถนนพระรามที่ 1 แขวงรองเมือง เขตปทุมวัน กรุงเทพฯ 10330

まとめ

タイ王国エネルギー省は、国のエネルギー安全保障と持続可能な発展に不可欠な役割を果たしています。エネルギー政策の策定から実施まで幅広い業務を遂行し、タイの経済成長と国民生活の向上に貢献しています。

外部リンク

エネルギー省公式ホームページ（タイ語）

参考資料

* Wikipedia（タイ語版、英語版）のエネルギー省の項目を参考にしました。

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