エバーハルト・カール大学テュービンゲン

テュービンゲン大学：歴史と伝統、そして革新

概要

1477年、ヴュルテンベルク＝ウラッハ伯エーバーハルト5世によって創設されたテュービンゲン大学は、500年以上の歴史を誇るドイツ屈指の総合大学です。古都テュービンゲンの中心部に位置し、街の景観に溶け込むように多くの大学施設が点在しています。かつて城があった高台にある主要施設は、その歴史を感じさせる壮大な佇まいです。

ドイツの優秀大学を認定する「エクセレンス・イニシアティブ」に選ばれた11大学の一つであり、Times Higher Educationの世界大学ランキングでもトップ100に名を連ねています（日本の大学では東京大学と京都大学のみ）。さらに、ヨーロッパの大学として唯一、日本にサテライトキャンパスを持つなど、国際的な活動にも積極的です。

テュービンゲンは、ヨーロッパ・ルネサンス期におけるヒューマニズムと、19世紀のドイツ観念論の重要な拠点として知られています。その歴史的背景を反映して、人文科学・社会科学分野において特に高い評価を得ており、これまでに11人のノーベル賞受賞者を輩出しています。


学部

2010年の学部再編後、テュービンゲン大学は7学部体制となりました。

福音主義神学部: 旧約聖書学、新約聖書学、教会史学、組織神学、実践神学、宗教学など
カトリック神学部: カトリック神学に関する専門課程
法学部: 法学、国家試験課程、LL.M.課程など、300人以上の外国人学生を含む2700人以上の学生が在籍。大学本館であるニューオーラに位置しています。
医学部: 医学、国家試験課程、医療関連工学、分子医学、助産学、看護学、神経科学など
文学部: 古典学、芸術学、アジア・東洋学、歴史学、現代語学、哲学など
経済学・社会学部: 経済学、社会学など
数学・理学部: 生物学、化学、地球科学、コンピュータ科学、数学、薬学・生化学、物理学、心理学など、1863年にはドイツで初めて独立した理学部が設立されました。


定員

入学は競争率が高く、各学部・課程の定員は厳しく制限されています。例として、国家試験課程では法学399名、医学327名、薬学140名、歯学61名となっています。学士課程も、ドイツ語250名、英語178名など、定員が設定されています。


施設

大学図書館: 豊富な蔵書と近代的な設備を備えています。
大学博物館(MUT): 大学の歴史や文化に関する資料を展示しています。


大学都市テュービンゲン

テュービンゲンは、バーデン＝ヴュルテンベルク州の中央に位置する、中世の面影を残す美しい街です。ネッカー川が流れ、特徴的なマルクト広場を中心とした旧市街は、第二次世界大戦の戦火を免れたため、歴史的建造物がそのまま保存されています。人口約8万9千人のうち、2万8千人以上が学生という、ドイツ有数の大学都市であり、「大学都市テュービンゲン（Universitätsstadt Tübingen）」を公式名称に用いるほど、街と大学は深く結びついています。


歴史的関連人物

テュービンゲン大学は、長年にわたり多くの著名な人物を輩出・育成してきました。


アロイス・アルツハイマー: アルツハイマー病の概念を確立した精神科医
ヨハネス・ケプラー: ケプラーの法則で知られる天文学者
フリードリヒ・シェリング、ゲオルク・ヘーゲル: ドイツ観念論を代表する哲学者
フリードリヒ・ヘルダーリン、ルートヴィヒ・ウーラント: テュービンゲン大学で学び、活躍した詩人
カール・バルト: 20世紀を代表する神学者
フリードリッヒ・ミーシェル: 核酸を発見した生化学者
グドルン・エンスリン: ドイツ赤軍の創設者
* フェルディナント・フォン・ツェッペリン: 硬式飛行船を発明した人物


協定校

テュービンゲン大学は世界各国に多くの協定校を持ち、学生は追加費用なしで留学することができます。協定校数は61カ国、500校を超え、毎年1000人以上の学生が海外留学を経験しています。協定校には、北京大学、東京大学、ダラム大学、イェール大学、ケンブリッジ大学など、世界トップレベルの大学が多数含まれています。日本からは東京大学、同志社大学、理化学研究所などの他、筑波大学、早稲田大学、上智大学など多くの大学が協定校となっています。


その他

2002年には、世界初の子ども大学が地元紙との協力で開設され、その取り組みはEUからデカルト賞を受賞しています。


アクセス

シュトゥットガルト中央駅から電車で約1時間、シュトゥットガルト空港からバスで約40分です。


テュービンゲン大学は、歴史と伝統を重んじながら、常に革新を追求し続ける世界的な大学です。

もう一度検索