エピタフ (曲)

キング・クリムゾンの楽曲「エピタフ」（英語：Epitaph）は、1969年に発表されたバンドの記念すべきデビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』に収録されています。このアルバムの中でも特に印象的な楽曲として知られ、彼らの初期を代表する重要な作品の一つとして数えられています。

この曲は、その幻想的な歌詞の世界観と、聴く者の心に響く叙情的なメロディラインによって、発表以来、多くの音楽ファンに愛されてきました。内省的でありながら壮大な雰囲気を持っています。

アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』からのシングルカットは見送られましたが、後年、1976年にリリースされた彼らの編集盤アルバム『新世代への啓示』に収められた際、改めてシングルとして世に出されました。これにより、より幅広いリスナーにこの名曲が届けられることとなりました。

オリジナル参加メンバー

この楽曲の制作には、当時のキング・クリムゾンの主要メンバーが参加しました。

ロバート・フリップ - ギター
グレッグ・レイク - ベース、ボーカル
イアン・マクドナルド - ハープシコード、メロトロン、リード楽器、木管楽器
マイケル・ジャイルズ - ドラムス、パーカッション
ピート・シンフィールド - 作詞

ライブでの演奏

オリジナル発表の年である1969年には、キング・クリムゾンのライブステージにおいて頻繁に演奏されました。当時の迫力あるライブ演奏は、後にいくつかの公式ライブアルバムで聴くことができます。

『エピタフ -1969年の追憶-』（1997年）
『Live at the Marquee』（1998年）
『King Crimson Live in Hyde Park』（2002年）

様々なアーティストによるカヴァーと関連作品

「エピタフ」は様々なアーティストによってカバーされています。中でも注目されるのは、オリジナルでボーカルを務めたグレッグ・レイクが、キング・クリムゾン脱退後に結成したスーパーグループ、エマーソン・レイク＆パーマー（ELP）での演奏です。ELPのコンサートにおいて、組曲「タルカス」の中の「戦場」の終盤で、グレッグ・レイクが原曲の歌詞の一部である「Confusion will be my epitaph」（「我が墓碑銘は『混乱』」）というフレーズを、ほぼ無伴奏で歌い上げることがしばしばありました。この演奏は、ライブ・アルバム『レディース・アンド・ジェントルメン』（1974年）にも記録されています。その他にも、日本のザ・ピーナッツ、フォーリーブス、西城秀樹といった幅広いジャンルのアーティストによって取り上げられています。

その他の関連

アメリカの有名なパンク・ロック専門レコードレーベルである「エピタフ・レコード」は、このキング・クリムゾンの楽曲名に由来して名付けられたという逸話も残されています。これは、「エピタフ」という楽曲が持つ普遍的な魅力と影響力を示す一例と言えるでしょう。

この楽曲はプログレッシブ・ロックの枠を超え、その芸術性の高さから多くの人々に感銘を与え続けており、キング・クリムゾンのキャリアにおいても、またロック史全体においても、色褪せることのない重要な地位を占めています。

もう一度検索