エマーソン・ムナンガグワ

エマーソン・ダンブゾ・ムナンガグワ

エマーソン・ダンブゾ・ムナンガグワ（Emmerson Dambudzo Mnangagwa、1942年9月15日 - ）は、ジンバブエの政治家であり、同国第3代大統領（2017年11月24日就任）。ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線（ZANU-PF）の代表も務めています。現地のメディアでは、しばしばEDと表記されます。

来歴

南ローデシア（現ジンバブエ）で生まれ、10代の頃は北ローデシアで過ごしました。16歳で黒人解放運動に参加し、1960年代にはエジプト、中国でマルクス主義の思想教育と軍事訓練を受け、独立闘争に身を投じました。逮捕後は刑務所で10年間を過ごし、そこでロバート・ムガベと親交を深め、ムガベのボディガード兼側近となります。

1980年のジンバブエ独立後、ムガベ政権で国家安全担当大臣として入閣し、治安機関を統括。ジンバブエ国防軍の創設を監督し、軍部との繋がりを築きました。しかし、1983年から1987年にかけてのグクラフンディと呼ばれる大虐殺では、反体制派と見なされた北ンデベレ人に対する攻撃に関与したとされています。ムナンガグワ自身はこの虐殺への関与を否定しています。

その後、法務大臣、地方住宅・社会環境大臣、国防大臣などを歴任。2008年の大統領選挙では、ムガベの選挙運動を主導し、暴力や脅迫を用いて野党候補を撤退に追い込みました。2014年には副大統領、与党副代表に任命され、ムガベの後継者としての地位を確立しました。

2017年、ムガベの後継を巡り、大統領夫人グレース・ムガベとの対立が激化。同年11月6日に副大統領を解任されます。しかし、国防軍がムナンガグワを支持したため、クーデターが発生。ムガベは辞任に追い込まれ、ムナンガグワは2017年11月24日に大統領に就任しました。

大統領として

大統領就任後、ムナンガグワは経済成長、平和の希求、雇用の創出などを訴え、外資導入を進めるなど改革開放的な経済政策を打ち出しました。一方で、ムガベ政権での幹部経験や強権的な体質から、真の民主主義が実現するかは不透明との見方も存在します。

2018年の大統領選挙では初当選を果たしましたが、野党は選挙結果を認めず、裁判所に提訴しました。2023年の大統領選挙でも再選を果たし、2期目を務めています。

人物

政治的な抜け目のなさから「ワニ」という異名を持ちます。しかし、政権下では電気代やガス代の高騰、食糧不足など、国内問題の解決には至っていません。また、露店商の取り締まりなど強権的な政策も批判を浴びており、国民の間にはムガベ政権時代へのノスタルジーも生まれています。

政策

詳細については「エマーソン・ムナンガグワの政治的立場」を参照してください。

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