ローデシア

ローデシア共和国

ローデシア（英: Rhodesia）は、南部アフリカ大陸に位置し、現在のジンバブエ共和国を含む地域です。この名称は、イギリスの政治家セシル・ローズに由来しており、1889年に設立されたイギリス南アフリカ会社がその発端となりました。その後、ローデシアは白人政権の実質的支配下に置かれ、1965年から1979年まで続いた背景には独立と植民地支配の複雑な歴史がありました。

歴史的背景

南アフリカ会社による植民地化

ローデシアの歴史は1850年代、探検家デイヴィッド・リヴィングストンによる探検から始まります。1889年、セシル・ローズはイギリス南アフリカ会社を設立し、同年に取得したマタベレランドやマショナランドなどの地域で鉱山開発を進めました。しかし、鉱山開発が思うように進展せず、会社は農業植民に方針を転換。黒人部族との対立が深まる中、1923年には南ローデシア自治政府が樹立されました。イギリスの北ローデシア（後のザンビア）は直轄の植民地となり、地域の権力バランスが変わっていきました。

ローデシア・ニヤサランド連邦の形成

1953年には南ローデシアと北ローデシアにニヤサランド（現マラウイ）が加わり、ローデシア・ニヤサランド連邦が成立します。しかし、アパルトヘイト政策への反発から1963年に連邦は解消され、翌年には北ローデシアがザンビアとして独立します。

白人政権下の抵抗

南ローデシアでは、白人の抵抗が強まり、黒人の政治組織が結成される中、1965年には一方的に独立を宣言しました。国際連合は制裁を実施しましたが、周辺国からの支援もあり、白人政権の支配は続きました。そんな中、黒人勢力の抵抗が強化され、内戦へと発展されていくことになります。

白人支配の終焉

1979年、スミス政権は黒人の参政権を認めるが、大部分の政府や軍は白人が主導する体制が続いていました。国際的な圧力が高まる中、黒人の抵抗運動が再燃。結局、同年の制憲協議を経て、新憲法が制定され、一時イギリス領に戻された後、1980年にはジンバブエ共和国として正式に独立しました。

政治と経済

ローデシア時代、政治は白人至上主義政党にかかり、反対意見は抑圧されました。経済は一次産品の生産に依存し、「アフリカの穀物庫」とも称されるほどの農業生産を誇りましたが、国際的な制裁の影響で徐々に打撃を受けていきました。ローデシアの混乱の中で数多くの人々が命を落とし、国内の状況は厳しさを増していきました。

このように、ローデシアは植民地支配と独立の狭間で揺れ動いた歴史を持ち、それは現在のジンバブエに多大な影響を与えています。国歌として『ローデシアよ、声をあげろ』が歌われた時代もありますが、その歴史は今も語り継がれています。

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