エム・テック

株式会社エム・テックについて

株式会社エム・テック（M.TEC CO., LTD.）は、かつて埼玉県さいたま市浦和区に本社を置き、建設業を中心として活動していた企業です。1988年10月に設立されたこの会社は、事業の発展とともにさまざまなプロジェクトに取り組んできました。

企業の沿革

エム・テックは、2000年代前半に埼玉県東松山市の大野工務所を取得し、これを通じて地域の建設業界において強力な地盤を築きました。その後、2009年には老舗の建設企業である勝村建設を吸収合併し、さらなる業務拡大を果たしました。主に国土交通省、埼玉県、さらには東日本高速道路株式会社などからの受注を受ける一方で、PC構造物の製造を行っていた埼玉本庄工場を拠点とし、資材の生産にも力を入れていました。

特に東日本大震災後の復興工事に携わりながらも、伝統的な橋梁工事の依頼が減少している状況に直面しました。こうした中で、2016年には東京都発注の「平成28年度中潮橋撤去工事」において許可を得ることなく工事を行っていた事が問題視され、東京地方検察庁から起訴される事態に至ります。これにより、エム・テックは多くの自治体から公共工事の指名停止を受け、新規の受注が難しくなりました。

経営の危機とその後の展開

2018年10月1日、エム・テックは民事再生法を申請し、その同日には保全命令を受けました。10月4日には債権者説明会が開催され、株式会社冨士工が再生スポンサーになることで合意されたものの、創業者はこの説明会に出席せず、粉飾決算の疑いが持たれることにもなりました。

さらに、東京地方裁判所において民事再生手続きが開始されましたが、スポンサーとの交渉が不調に終わり、10月22日には手続きが廃止され、計88箇所の工事契約が全て解除される事態となりました。その結果、2018年11月20日、東京地方裁判所から破産手続開始の決定が下されました。

エム・テックは、破産手続きの費用を支弁できない状態であり、2021年9月22日に破産手続き廃止決定を受け、その後10月28日には法人格が消滅しました。

会社の拠点

エム・テックの本社は埼玉県さいたま市浦和区にあり、他にも東京都中央区や宮城県仙台市などに複数の支店を展開していました。北日本や西日本を網羅する形で多様な営業所が存在し、特に首都圏での事業を重点的に行っていました。ただし、最近の経営悪化により、公共工事からも撤退せざるを得ない状況に至ってしまいました。

主な実績

エム・テックは、各種の建設プロジェクトを手掛けており、具体的にはさいたま市子ども総合センターや国立科学博物館の改修、福岡の海上遊歩道、上戸田地域交流センターといった実績があります。これらのプロジェクトは、地域社会や文化に大きく寄与してきたとされます。

このように、エム・テックは一時は大きな矢印を指し示す企業でしたが、法的な問題に直面し、最終的には破産の道を選ぶことになりました。

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