勝村建設

勝村建設株式会社の概要

勝村建設株式会社（かつむらけんせつ、Katsumura Construction）は、公共住宅や学校といった建築物の設計・施工を主に手がけていた中堅ゼネコンです。設立は1947年2月で、1961年には東京証券取引所に上場（株価コード1817）しました。この時期から勝村建設は首都圏を中心に公共事業を展開し、建設業界での地位を確立しました。しかし、2005年9月、会社は民事再生手続きの申立てを行い、その後上場廃止に至ります。

経営の変遷と買収

民事再生手続きの後、2006年には夢真ホールディングスに完全子会社化されましたが、わずか8か月後にその全株式がファンド会社であるさくらグローバルマネジメントに売却されました。新体制下での経営再建が試みられ、元HSBCのマネージングディレクターである山田一二氏が代表取締役に就任しました。

その後、2007年にはさくらグローバルマネジメントから米国のD.B.Zwirnファンドへと株式が移転しました。D.B.Zファンドは51億ドル以上の資産運用を行っている国際的なファンドであり、勝村建設にとっても新たな資金調達の道が開かれることへの期待が寄せられました。

民事再生手続き

1度目

しかし、経営の苦境は続きました。東京都水道局発注工事の談合事件が発覚し、暴力団を用いた脅迫や嫌がらせの手法が明るみに出ると、これが大きな問題を引き起こします。この事件により、国や地方公共団体からの指名停止処分が相次ぎ、約420件のプロジェクトが影響を受けました。資金繰りも悪化し、主要な取引銀行である東京三菱銀行からの支援も得られず、2005年9月29日には民事再生法の適用を申請し、負債額は316億円に達しました。

2度目

その後、状況は改善されないまま、2008年にはさらなる不良債権が発生し、再度の民事再生手続きが不可避となりました。2008年10月31日には営業活動を停止し、11月12日に民事再生法の適用を申請しました。この時、スポンサーとして株式会社エム・テックが名乗りを上げ、再生計画が進められました。2009年1月には再生計画が認可され、同年10月31日をもってエム・テックに吸収合併されることとなりました。これにより、勝村建設は1918年の創業から91年の歴史に幕を下ろしました。

最後の年

勝村建設を吸収したエム・テックも、2018年には業績不振から指名停止処分を受け、同年11月に破産手続きが開始されました。勝村建設はその歴史の中で、東京辰巳国際水泳場などのプール施設にも携わり、社長の勝村幾之介は日本水泳連盟の理事長を務めるなど、スポーツ界にも関与していました。

結論

勝村建設株式会社は、その経営の浮き沈みを通じて、日本の建設業界の厳しさやファンドによる経営再建の難しさを象徴する存在となりました。

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