エメ・ボンプラン

エメ・ボンプラン（Aimé Jacques Alexandre Bonpland、1773年8月29日 - 1858年5月4日）は、フランス出身の著名な探検家、博物学者、そして植物学者です。本名はGoujaudと言います。

生涯

フランスのラ・ロシェルで生まれたボンプランは、当初、フランス陸軍の外科医としてキャリアをスタートさせました。その後、パリでJ. N. Corvisartに師事し医学を学びました。転機となったのは、アレクサンダー・フォン・フンボルトとの出会いです。彼はフンボルトと共に、メキシコ、コロンビア、オリノコ川、そしてアマゾン川流域を探検する、5年間に及ぶ壮大な旅に出発しました。

この探検でボンプランは、ヨーロッパには未だ知られていなかった6万種もの植物を収集し、分類するという偉業を成し遂げました。これらの発見は、1808年からパリで出版が開始された『Plantes equinoxiales』に発表され、ボンプランの名声を確立しました。また、この旅の様子は、ダニエル・ケールマンの小説『世界の測量』(Die Vermessung der Welt)にも描かれています。

1802年、南米探査中には、フンボルトやエクアドル人のカルロス・モントゥーファルらと共に、アンデス山脈のチンボラソ山（標高6,310m）の登頂に挑みました。一行は標高5,875m地点まで到達しましたが、高山病を発症した者が複数出たため、そこで引き返すこととなりました。しかし、当時としては、ヨーロッパ人が到達した最も高い地点であったとされています（インカの人々はさらに高い山に登っていたという説もあります）。

パリに帰還後、ボンプランはマルメゾン城の庭園監督に就任し、1806年には『Monographie des Melastomes』、1813年には『Description des plantes rares cultivées à Malmaison et à Navarre』を出版しました。1816年には、自然史の教授としてブエノスアイレスに渡るため、ヨーロッパ各地の植物を携えて再び南米へ向かいました。しかし、その後、南アメリカ中部の探検中に、1821年にボリビアでパラグアイの独裁者ホセ・ガスパル・ロドリゲス・デ・フランシアの軍によって拘束され、1831年まで長期間にわたり拘留されるという不遇に見舞われました。

解放後、ボンプランはアルゼンチンのコリエンテス州サン・ボルハに居を構え、1853年にはサンタ・アナに移り住み、その地で生涯を終えました。

栄誉

ボンプランの功績を称え、小惑星(9587) Bonplandや月のクレーターに彼の名前が付けられています。

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