エリクの年代記

『エリクの年代記』（スウェーデン語: Erikskrönikan）は、スウェーデンに現存する最古の年代記であり、編者は不明です。この年代記は1320年から1335年の間に成立し、中世スウェーデンの政治史を伝える韻文詩として重要な位置を占めています。また、スウェーデンにおける最古かつ重要な物語の一つとしても知られています。

年代記の主人公は、スウェーデン王ビルイェルの兄弟であるセーデルマンランド公エリクです。年代記の記述の正確性や原作者については議論がありますが、中世スウェーデンの歴史や社会を理解する上で欠かせない資料であることに変わりはありません。

『エリクの年代記』は、全部で4543行にも及ぶ長大な作品です。記述の対象期間は、エリク11世の治世下の1229年から始まります。中心となるのは、エリク11世が死去した1250年から、マグヌス4世が3歳で即位した1319年までの期間です。この時代は、スウェーデンの政治的変動が激しかった時期であり、年代記にはその様子が詳細に記録されています。

15世紀以降には6編の原稿が確認されており、さらに16世紀から17世紀にかけて14編が発見されました。これらの原稿は、年代記が当時広く読まれていたことを示唆しています。写本によって内容に多少の異同が見られるものの、全体として一貫した物語を伝えています。

『エリクの年代記』は、単なる歴史記録にとどまらず、中世スウェーデンの社会や文化、人々の価値観を知る上で貴重な情報源です。韻文で書かれているため、当時の言葉遣いや表現を理解する上でも役立ちます。

年代記の現代語訳や研究も進められており、スウェーデンの歴史研究において重要な役割を果たしています。原文（古スウェーデン語）や現代英語訳も公開されており、関心のある方は参照できます。

参考文献

(参考文献の情報は、必要に応じてこちらに追加します)

外部リンク

エリクの年代記原文（古スウェーデン語）
* 現代英語訳

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