エリザベス・ライアン

エリザベス・モンターギュ・ライアン

エリザベス・モンターギュ・ライアン（1892年2月8日 - 1979年7月6日）は、カリフォルニア州アナハイム出身のアメリカの女子テニス選手です。彼女は1914年から1934年にかけてウィンブルドン選手権で見事な成績を収め、女子ダブルスで12勝、混合ダブルスで7勝を達成しました。その結果、ライアンはウィンブルドンでの総勝利数19回という記録を樹立しました。

女子シングルスでは、ウィンブルドンと全米選手権で各2度、1度の準優勝を経験しましたが、残念ながら大きなタイトルを手にすることはできませんでした。彼女のダブルスの成功には全仏選手権における4度の優勝も含まれており、ライアンは「バニー・ライアン」という愛称でも知られていました。

テニスキャリアの始まり

エリザベスのテニスキャリアは、1914年のウィンブルドン女子ダブルスから始まります。彼女はこの大会で初優勝を果たし、イギリスのアグネス・モートンとのペアで初の栄冠を手にしました。しかし、第一次世界大戦の影響で大会は数年間中止となり、1919年に再開されます。ライアンは再びスザンヌ・ランランとのコンビで女子ダブルスを制し、その後1923年までの間に5連覇を遂げました。

しかし、1921年の女子シングルス決勝でランランに完敗し、初めての準優勝を経験しました。この年、彼女はまたダブルスのタイトルを手にしましたが、1924年にはランランの病気により連覇がストップしました。ライアンは1925年にランランと再び優勝し、ダブルス戦績をさらに確固たるものにしました。

ダブルスの成功

1926年には、ランランがプロテニス選手として新たな道を歩むこととなり、ライアンは新たなパートナーとでもダブルスの成功を続けました。この年、彼女はメアリー・ブラウンと組んで再び優勝を果たし、更に次の数年間ではヘレン・ウィルス・ムーディとペアで優勝することが続きました。女子ダブルス優勝回数は12回に及び、ライアンの名声は高まりました。

一方、彼女のシングルスの成績はなかなか振るわず、1930年には再び女子シングルス決勝に進出しますが、再びムーディに敗れ貴重なチャンスを逃しました。混合ダブルスでは、数回にわたって異なるパートナーと組んで成功を収めました。

晩年と遺産

ライアンは1934年に現役を退きますが、彼女のテニスキャリアは多くの人々に印象を残しました。1972年には国際テニス殿堂に名を刻み、彼女の功績は後世に受け継がれています。

1979年、ライアンはウィンブルドン選手権の観戦中に心臓発作を起こし、息を引き取りました。彼女の死後、女子ダブルス決勝でビリー・ジーン・キングが優勝し、ライアンの保持していた最多勝記録が更新されるという出来事があり、これもまた女子テニスの歴史に名を刻むエピソードとなりました。

ライアンは、ダブルスでの成功と華々しい記録により、女子テニス界に多大な影響を与えた選手として今なお語り継がれています。

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