エルゲネ

エルゲネ（モンゴル語: Ergene）は、生没年不詳の女性で、モンゴル帝国 second 代皇帝オゴデイ・カアンの側室でした。

史料における記述：
『元史』などの漢文史料では「業里訖納(yèlǐqìnà)」と記されています。
『集史』などのペルシア語史料では「ارگنه(ārgne)」と記されています。

人物像：
『集史』「オゴデイ・カアン紀」第一部には、オゴデイの息子であるカダアン・オグルとメリクの母親として記述されています。
具体的には、「六男：カダアン・オグル。彼の母はエルゲネ(Ergene>ārgne)という名前の妃であった……七男：メリク。彼の母もまた上述の妃であった……」とあります。
また、『元史』巻106表1后妃表にも「業里訖納(Ergene>yèlǐqìnà)妃子：滅里(Melik>mièlǐ)の母」と記録されています。

しかし、エルゲネの人柄や彼女がどのような生涯を送ったのかを示す具体的な事績については、残念ながらほとんど記録が残っていません。
彼女は、モンゴル帝国の歴史において、皇帝の側室として、そして二人の息子の母として、その名がわずかに伝えられているのみです。

参考文献：
松田孝一「オゴデイ諸子ウルスの系譜と継承」『ペルシア語古写本史料精査によるモンゴル帝国の諸王家に関する総合的研究』、1996年

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