エルズミア島

エルズミア島の概要

エルズミア島（Ellesmere Island）は、カナダ北極圏に位置し、クイーンエリザベス諸島の一部を形成する重要な島です。面積は196,235平方キロメートルと広大で、これは世界で10番目、そしてカナダ国内では3番目に大きな島とされています。特に注目すべきは、カナダの最北端であるコロンビア岬がこの島に存在する点です。2006年時点では、島の人口は146人に過ぎないため、世界で最も北に位置する有人島とされています。

地理と自然

エルズミア島は、グリーンランドの西側にあり、最も狭い部分では50キロメートルに満たないネアズ海峡を挟んで対面しています。西側にはユーリカ海峡とナンセン海峡を介してアクセルハイバーグ島があり、南側にはデヴォン島があるという地理的な特徴を持っています。島内には美しいフィヨルドが多く形成されており、自然の壮大さを示しています。また、エルズミア島には世界最北の山脈が存在し、特に大英帝国山地（British Empire Range）やアメリカ合衆国山地（United States Range）は、探検家的には魅力的な地点とされています。

エルズミア島の5分の1以上は、クッティニルパーク国立公園 (Quttinirpaaq National Park) として保護されています。この国立公園には、7つのフィヨルドや多くの氷河地域が含まれ、自然観察や探検に訪れる人々にとって貴重な場所となっています。特に、ヌナブト準州内の最高峰であるバーボー・ピーク（Barbeau Peak）は、標高2,616メートルに達し、この島の自然の驚異を象徴する存在です。

歴史

エルズミア島の歴史もまた興味深いものがあります。紀元前からこの地においてはイヌイットのコミュニティが存在し、彼らは過酷な寒冷環境の中で生活を営んでいました。また、西暦1000年頃にはヴァイキングがこの島に到達しています。1616年には、探検家ウィリアム・バフィンが西洋人として初めてエルズミア島に上陸しました。その後、1852年にはイギリスの航海者エドワード・イングルフィールドがこの島を探検し、名称はフランシス・エジャートン（初代エルズミーア伯）にちなんで命名されました。

主な町と特長

島内にはユーリカ、グリーズフィヨルド、アラートなどの町が点在しており、それぞれが独自の魅力を持っています。また、北磁極が2005年時点では島の西側に位置しており、科学的な研究や観光の重要な観点ともなっています。

まとめ

エルズミア島は、その壮大な自然、独自の歴史、そして地理的な特性から、カナダ北部の中でも特に興味深い地域と言えます。自然愛好家や歴史愛好家にとって、この島は探求するに値する場所です。

もう一度検索