エルンスト・バルクマン

エルンスト・バルクマンの生涯

生い立ち

エルンスト・バルクマンは1919年8月25日、ドイツ北部のホルシュタイン州キスドルフにある農家に生まれました。子供時代は地元の学校を卒業後、家族と共に農業を手伝って生活していました。しかし、1936年、彼はより大きな世界を求め、親衛隊特務部隊の一員として軍務に就く決意をします。この年の4月1日にSS連隊ゲルマーニアに入隊し、基礎訓練を経て親衛隊上等兵として第3大隊に配属されました。

第二次世界大戦の戦歴

ポーランド戦からフランス戦

1940年に始まったポーランド侵攻では、バルクマンは第14軍の一部として従軍し、多くの戦功を上げました。特に、彼は機関銃手として活躍し、その功績によって親衛隊兵長へ昇進しました。その後、フランス侵攻に参加し、戦傷を負いながらも歩兵突撃章を授与されます。

東部戦線

1941年、バルクマンはソビエト連邦への攻撃「バルバロッサ作戦」に参加。この戦闘では負傷しつつも二級鉄十字章を受け、その後、ネーデルラント義勇兵の訓練教官に任命されます。次第に活躍の場を広げ、1943年には第三次ハリコフ攻防戦で幾多の敵戦車を撃破し、戦車長に昇進。その後、クルスクの戦いでも多数の敵を撃破し、一級鉄十字章を受けます。

西部戦線

1944年2月、バルクマンはフランスのボルドーに配置転換され、連合軍の上陸への備えを整えます。そして、1944年6月6日のノルマンディー上陸作戦において、多くの敵戦車を撃破。特に有名なのは、サン＝ローでの戦闘で、バルクマンは単独で数両のアメリカ軍戦車を撃破する活躍を見せました。
しかし、この戦いの真実については後に異論が浮上し、連合軍の記録と照らし合わせた結果、バルクマンの主張には疑問を持たれるようになりました。

バルジの戦いから終戦まで

1944年12月からのバルジの戦いでは、再び彼の能力が試されていますが、重傷を負い、その後の戦闘から退くことになります。1945年、春の目覚め作戦に参加し、再び多くの敵を撃破しましたが、作戦自体は失敗。最終的にはイギリス軍に捕虜となり、戦争を終えます。彼の戦績は、戦車82両、各種車両132台、対戦車砲43門に達しました。

戦後の生活

戦後の1947年に解放されたバルクマンは、故郷のキスドルフに帰り、エルンスト・シュムック・バルクマンという名を名乗り、消防署で署長として働きました。さらに、彼は政界にも進出し、1976年から1994年まで地元の市長を務めたことでも知られています。彼は地元の名士となり、生涯を通じて多くの人々に影響を与えた存在でした。

エルンスト・バルクマンの人生は、戦争の激動とその後の平穏に満ちた生活のコントラストを示しており、彼の物語は今も多くの人に語られています。

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