エルヴィスとニクソン

映画『エルヴィスとニクソン』について

『エルヴィスとニクソン』（Elvis Meets Nixon）は、1970年12月21日にエルヴィス・プレスリーと当時のアメリカ大統領リチャード・ニクソンが秘密裏に行った会見を題材にした、1997年のアメリカのテレビ映画です。この作品は、実際にあった出来事をベースに、コメディタッチで描かれています。

あらすじ

物語は、エルヴィス・プレスリーが、自身の生活に閉塞感を抱き、21歳以来初めて単独で家を出るシーンから始まります。彼はカリフォルニアへ向かい、反戦運動家との交流を通じて、自身がビートルズに影響を与えた存在であり、カウンターカルチャーの一翼を担ったと自覚するようになります。そこで、エルヴィスはニクソン大統領に対し、麻薬取締局の「総括連邦職員」に任命してほしいという手紙を送ります。実際には存在しない役職でしたが、ニクソン大統領は、若者からの支持を得たいという思惑から、エルヴィスとの会見を決意します。この会見を通して、ニクソン大統領は自身のイメージアップを図ろうとしました。

主要キャスト

エルヴィス・プレスリー：リック・ピータース
リチャード・ニクソン：ボブ・ガントン
プリシラ・プレスリー：アリソン・コート
ヴァーノン：デニー・ドゥハティ
ドジャー：ジャッキー・バロウズ
ファーレー・ホール：カーティス・アームストロング
ボビー・ビショップ：ガブリエル・ホーガン
リサ・マリー・プレスリー：ロビ・ジェイ・テュエ
ボブ・ホルデマン：リチャード・ベイマー
10歳の少年：ジョー・ディニコル

史実との関連

映画は、実際の出来事を基にしていますが、エンターテイメント性を高めるために、一部誇張された描写が含まれています。しかし、物語の根幹部分は史実に基づいています。

1970年12月19日、エルヴィスは、浪費癖を妻プリシラと父ヴァーノンから注意されたことに腹を立て、グレイスランドを飛び出してワシントンD.C.へ向かいます。その後、ロサンゼルスで友人と再会し、さらにワシントンD.C.に戻りたいと希望します。移動中、上院議員ジョージ・マーフィと出会い、麻薬取締局のバッジを手に入れたいという想いを打ち明けます。マーフィーの提案を受け、エルヴィスはニクソン大統領に手紙を書き、12月21日に自らホワイトハウスに届けました。

エルヴィスは麻薬取締局を訪ね、副長官にバッジを懇願しますが、これは叶いませんでした。しかし、大統領補佐官からの連絡で、ニクソン大統領との会見が実現します。エルヴィスは、友人たちと共にホワイトハウスを訪問し、ニクソン大統領と面会しました。会見後、彼はニクソン大統領にバッジを求めますが、これは実現しませんでした。翌日、エルヴィスはグレイスランドに帰宅しています。

その後、12月30日には再びワシントンD.C.を訪れ、全米郡保安官協会を訪問。翌日にはFBI本部で秘密捜査官になりたいと申し出ました。FBI長官には会えなかったものの、翌年1月4日に捜査補助者としての権限を承認する手紙を受け取っています。

同テーマの別作品

エルヴィスとニクソンの会見を題材にした作品は、この他にも存在します。2016年には、『エルヴィスとニクソン 〜写真に隠された真実〜』が公開されました。この作品は、エリック・バナがエルヴィス役、ダニー・ヒューストンがニクソン役を演じています。

外部リンク

Elvis Meets Nixon - IMDb（英語）
When Nixon Met Elvis (National Archives and Record Administration)

もう一度検索