エル・キャピタン劇場

エル・キャピタン劇場

エル・キャピタン劇場は、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスのハリウッドに位置する、歴史的かつ名誉ある映画館です。この劇場はウォルト・ディズニー・カンパニーの所有であり、ディズニー作品の多くがここでプレミア公開されるため、映画ファンの間で特別な場所として知られています。

歴史的背景

エル・キャピタン劇場は、1926年に開館されました。設計担当はスタイルズ・O・クレメンツとG・アルバート・ランズバーグで、外観や内装はカリフォルニア・チュリゲレスク様式にスパニッシュ・コロニアル・リヴァイヴァルの要素を加えたデザインとなっています。また、劇場内にはウーリッツァー製の大型オルガンがあり、645人収容する大ホールや美しいロビーが訪れる人々を魅了します。

この劇場の設立者、チャールズ・E・トバーマンは「ハリウッドの父」と称されており、彼のビジョンによりハリウッドの劇場エリアが形成されました。オープニング作品は「シャーロット・レヴュー」で、エル・キャピタン劇場はすぐに「ハリウッド初の台詞劇の本拠地」としての名声を得ました。その後も、クラーク・ゲーブルやジョーン・フォンテインなどの著名な俳優の出演作が120以上上演されるなど、劇場の影響力は大きなものでした。

しかし、1930年代後半には世界恐慌の影響を受け、上演作品が減少していきました。経営陣は新しい試みに取り組む中で、映画の上映を始めることを決定しました。そして1941年、パラマウント映画が劇場を買収し、1年間の改修を経て「ハリウッド・パラマウント・シアター」として再オープンしました。

ディズニーによる改修と現在

1980年代後半、ディズニーはこの劇場を買収し、1989年から全面改修を実施しました。この改修には約1400万ドルが投じられ、1991年にオリジナルの名前「エル・キャピタン劇場」に戻されました。初の上映は「ロケッティア」となり、さらに1990年にはロサンゼルス市によって歴史文化記念物に指定されました。さらに、アメリカ合衆国ナショナル・トラストから全米保存名誉賞も授与されるなど、その重要性が再確認されました。

劇場にはサンフランシスコから移転されたオルガンも設置されており、映画上映時に演奏されることもあります。1994年のノースリッジ地震の際には建物が被害を受けましたが、その後も復興が行われ、現在も映画館として機能しています。

さらに、2020年には新型コロナウイルスの影響で一時閉鎖されたものの、2021年に席数を限定して再開しました。再開後の初上映作品は「ラーヤと龍の王国」でした。また、2023年にはアナハイムに新たなディズニーのアトラクションがオープンし、その入口はこの劇場のファサードを模しています。

施設の特徴

エル・キャピタン劇場は、映画館としてだけでなく、その建築的美しさでも知られています。外観は華やかで、内装はエレガントなデザインが施されています。訪れる人々は映画を楽しむだけでなく、その歴史や文化的背景を体感することができるのが、この劇場の魅力の一つです。

このようにエル・キャピタン劇場は、映画ファンのみならず、多くの人々にとって魅力的な場所であり続けています。

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