エル・ゴリアス

エル・ゴリアス：メキシコからのプロレス界の巨星

エル・ゴリアス（El Gran Goliath）は、本名パブロ・オルダス・クリスピン（Pablo Ordaz Crispín）として1934年6月18日にメキシコのシウダー・フアレスで生まれました。彼は2004年4月12日に心臓発作で亡くなるまでの69年間、プロレス界で特別な存在として多くのファンに愛されました。

キャリアの始まりと浮上

1959年にプロレスデビューを果たしたゴリアスは、瞬く間にメキシコ国内での重量級ルード（悪役）として名を馳せました。1969年3月30日には、ヘンリー・ピルーソを破りナショナル・ヘビー級王座を獲得。その後、12月20日にラウル・レイエスにタイトルを奪われたものの、ミル・マスカラスの渡米後はメキシコにおけるヘビー級戦線のトップ選手の一人となりました。

1970年9月からはアメリカ合衆国にも進出し、ロサンゼルス地区のNWAハリウッド・レスリングに参戦。この地区デビュー戦の9月16日には、グレート小鹿からTV王座を奪取しました。その後、彼のスタイルは多くのファンを魅了し、リング上での存在感は他の選手に勝るとも劣らないものでした。

タッグチームの成功

エル・ゴリアスは、ブラック・ゴールドマンとのコンビで数々の名勝負を繰り広げました。彼らは1970年代を通じて多くのタッグ王座を獲得し、特にNWAアメリカス・タッグ王座では19回も戴冠するなど、その強さと技術を披露しました。彼らのパートナーシップは、他のタッグチームとの試合での勝利によって強化され、エル・ゴリアスはアメリカ多地域でも名を知られる存在へと成長しました。

ゴリアスとゴールドマンは、アメリカでも「赤と黒の悪党」として知られ、そのルックスとスタイルから日本でも「泥棒コンビ」と呼ばれるようになりました。ハンディキャップマッチでのアンドレ・ザ・ジャイアントとの対戦も記憶に残るエピソードの一つです。

日本での戦歴と影響

1971年には日本プロレスで初来日し、ゴールドマンとのコンビで『ダイヤモンド・シリーズ』に参戦しました。また、1972年には「アジアン・テローズ」として覆面レスラーとしても活躍しました。特に、1976年の新日本プロレスでの乱闘事件は彼の日本での名声を高める出来事となりました。この試合は彼のキャリアの中でも特に印象的な瞬間であり、プロレスファンにとって忘れられないエピソードです。

引退後の活動と遺産

1980年代を通じてゴリアスはロサンゼルス地区での活動を続けましたが、1982年にゴールドマンとのコンビが解消され、その後はセミリタイア状態に。しかし、引退後もアメリカに永住権を取得し、サンバーナーディーノでレスリングスクールを開校。1995年までインディー団体の興行にも関与し、レスリングの普及に努めました。

エル・ゴリアスは、リングでの活躍だけではなく、後進の育成にも力を注ぎ、長いキャリアを通じて多くのレスラーに影響を与えました。彼の遺産は今もなお、多くのプロレスファンの心に生き続けています。

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