エル・シド (映画)

映画『エル・シド』の概要

『エル・シド』（原題：El Cid）は、1961年に公開されたイタリア・アメリカ合衆国の共同制作による歴史映画で、監督はアンソニー・マンが務めました。主役にはチャールトン・ヘストンがロドリゴ（エル・シド）役を、ソフィア・ローレンが彼の許嫁シメン役を演じています。この映画は、11世紀後半のレコンキスタの時代にカスティーリャ王国で活躍した武将ロドリゴ・ディアス・デ・ビバールの人生に焦点を当てています。

ストーリー

物語は1080年から始まりますが、史実ではその頃にはフェルナンド王がすでに亡くなっています。カスティーリャ王国の若き武将ロドリゴは、ムーア人との戦闘で敵の首長ムータミンを捕えましたが、彼を王に引き渡すことなく逃がしました。この行為に感謝したムータミンは、ロドリゴに「エル・シド」と呼ばれる称号を与え、友情を誓います。しかし、捕虜を逃がしたことでロドリゴは反逆者の汚名を被り、婚約者シメンの父であるゴルマス伯爵から侮辱されてしまいます。ロドリゴは彼に謝罪を求めますが拒否され、二人は決闘の末にゴルマス伯爵は命を落とし、シメンはロドリゴを激しく憎むようになります。

その後、ロドリゴはアラゴン王国との戦いに挑む一騎討ちに参加。苦しい戦いの末、彼は敵を打ち破り、カスティーリャ王国の最高戦士として褒め称えられます。しかし、シメンの心にはロドリゴへの憎しみが残っているため、彼女のライバルであるオルドニェス伯爵はシメンを利用してロドリゴの命を狙います。それでもロドリゴは全てを受け入れ、続けてシメンと結婚します。

フェルナンド王が亡くなった後、アルフォンソ王が不正に即位し、ロドリゴを追放します。この出来事を契機に、シメンは自身のロドリゴへの愛に気付き、彼に従って生きることを選びます。二人はようやく真の夫婦となり、穏やかな日々を過ごそうとしますが、ロドリゴにはスペインのために戦う運命が待っていました。彼は忠実な部下ファニェスに請われ、再び戦いに赴く決意を固めます。

後半では、ロドリゴが復帰し、アルフォンソ王との不和が続く中でムーア人と手を組んでバレンシアを攻略します。彼はバレンシアの王冠をアルフォンソ王に送り届け、忠誠を誓います。しかし、その後の戦でロドリゴは無念の死を迎えます。彼の最後の命令によって、死体を馬に乗せさせることで、彼の死を悼む者たちに勇気を与え、敵を打ち破ることができました。こうして、ロドリゴは「エル・シド」として後世に伝説として名を刻むこととなります。

登場人物

• - ロドリゴ（エル・シド） - チャールトン・ヘストン：カスティーリャ王国の貴族で武将。
• - シメン - ソフィア・ローレン：ロドリゴの許嫁。
• - ベン・ユサフ - ハーバート・ロム：攻め込んでくるムーア人の王。
• - オルドニェス伯爵 - ラフ・ヴァローネ：ロドリゴのライバル。
• - ウラカ王女 - ジュヌヴィエーヴ・パージェ：ロドリゴに想いを寄せる。

この歴史劇は、英雄的な生涯の中での人間関係や政治的陰謀を描いており、多くの観客に感動を与え続けています。

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