エレットロニカ・ニュートン

エレットロニカ・ニュートン：艦載用電子戦システム

エレットロニカ・ニュートン（Elettronica Newton）は、イタリアのエレットロニカ・サンジョルジョ・エルサーグ社により開発された艦載用電子戦システムです。このシステムは、アメリカのAN/SLQ-32|AN_SLQ-32をモデルにしたモジュール化設計を取り入れており、様々な艦艇のニーズに応えるために多様なバリエーションが用意されています。主に艦載の防衛や電子戦に使用されることから、その性能と適用範囲は広いものとなっています。

サブシステムした構成

エレットロニカ・ニュートンは、さまざまなサブシステムで構成されており、その中心となるのは電波探知装置と電波妨害装置です。

電波探知装置

• - ELT/123: このレーダー警報受信機は初期のシステムの基盤であり、小型のキーパッドを用いて操作が可能で、専門のオペレーターが不要です。これ単体では「ファラッド」として知られています。
• - ELT/261: ELT/123を補完するための受信機および操作コンソールです。このコンソールは大画面で一人用に設計されており、脅威情報管理や情報ライブラリの参照が行えます。電波妨害装置の制御や艦の戦術情報処理装置との連携も行います。
• - ELT/211: ELT/123とELT/261を統合したサブシステムです。

電波妨害装置

• - ELT/318: ノイズ妨害装置で、円筒形の無指向性アンテナを持ちます。
• - ELT/361: レーダー向けのノイズ妨害装置で、球形のレドームに収容されています。
• - その他にも、NATO向けのELT/511や測距機器に対する欺瞞妨害を行うELT/521など、多様な電波妨害装置が用意されています。

システムのバリエーション

エレットロニカ・ニュートンには、艦艇のサイズに応じた複数のバリエーションが存在します。

• - ニュートン・アルファ: 100-500トン級艦艇用。
• - ニュートン・ベータ: 250-1,000トン級艦艇用。
• - ニュートン・ガンマ: 1,000-3,000トン級艦艇用。これにより、艦の大きさに合わせて性能が調整されています。
• - ニュートン・ラムダ（SLQ-D/SLR-4）: より高い処理能力を持つシステム。

さらに、ヘリコプター巡洋艦「ヴィットリオ・ヴェネト」向けのニュートン・イプシロンや、市場に投入された中華人民共和国における981型など、多くの派生型が存在します。

採用国と搭載艦

エレットロニカ・ニュートンは、主にイタリア海軍をはじめとするいくつかの国の海軍によって運用されています。具体的には、イタリア海軍のマエストラーレ級フリゲートやルポ級フリゲートをはじめ、ペルー、ベネズエラ、オランダ、インドネシア、ギリシャなどの海軍にも採用されています。また、中国人民解放軍海軍では、981型や984型などのバリエーションが艦に搭載されています。

このように、エレットロニカ・ニュートンは多機能な艦載用電子戦システムとして、多くの艦艇に対応しており、その技術は今後も進化し続けることが期待されます。

もう一度検索