マエストラーレ級フリゲート

マエストラーレ級フリゲート

マエストラーレ級フリゲート（イタリア語: frigate classe maestrale）は、イタリア海軍に所属する艦級であり、1983年から1988年の間に合計8隻が就役しました。この艦級は、一つ前のルポ級フリゲートを基にして開発された後継艦であり、艦名は各方位の風向を表しています。

設計の特徴

この艦級は、前級の設計を拡大し、総排水量が約500トン増加しました。船体は中央船楼船型が採用され、艦首に強いシアが見られます。また、船体は15の水密区画に分かれており、浸水事故のリスクを低減しています。動揺を軽減するために固定式フィンスタビライザーや水中放射雑音の低減を目的としたプレーリー・マスカーも搭載されています。上部構造物には軽量な合金が使用されています。

主機関は、ルポ級と同様、ディーゼルエンジンとガスタービンエンジンのCODOG（Combined Diesel and Gas）構成であり、主にフィンカンティエリ系列のディーゼルエンジンとフィアット社のガスタービンが使用されています。エンジン出力は、大型化に伴い強化され、船体の小型化に対応したパラレル配置が採用されています。電力供給のために780キロワットのディーゼル発電機が4基搭載されています。

装備の概要

マエストラーレ級フリゲートの装備は、先代のルポ級からのものが多く踏襲されていますが、一部では性能が向上しています。C4IシステムにはSADOC-2戦術情報処理装置が採用され、その更新版であるIPN-20が搭載されています。また、レーダーとしては対空・対水上用のRAN-10Sレーダーと、長距離捜索用のRAN-11L/Xレーダーがあり、これにより艦艇の対象探知能力が強化されています。ソナーシステムにはアメリカ製のレイセオン社製DE 1164が使用され、深度調整が可能なシステムとなっています。

武器システムにおいては、主にルポ級の設計を基にしており、新たに533mmの魚雷発射管が追加され、対潜火力が強化されました。艦防空ミサイルとしては国産のアルバトロスシステムが採用されており、8連装発射機が設置されています。また、主砲には127mmのオート・メラーラ社製砲が1基、40mmの連装機銃が2基搭載されています。これらの武器はそれぞれ射撃指揮装置と連携し、効率的な攻撃が行いましょう。

航空システム

大型化に伴い、航空艤装も強化されており、艦載機を2機搭載可能の格納庫と、広いヘリコプター甲板を備えています。これにより多様な任務に対応できる能力を向上させています。

運用履歴

本級は、イタリア海軍の重要なフリゲート戦力として、長年にわたり活動しています。しかしながら、近年の防衛予算の制約や、艦の老朽化により、2013年以降は新型のカルロ・ベルガミーニ級フリゲートに置き換えられる予定です。過去には、フィリピン海軍への退役艦の売却交渉も行われましたが、最終的には白紙となりました。これらの背景から、現在のマエストラーレ級は、イタリア海軍における艦隊のワークホースとして位置づけられています。

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参考文献

• - Friedman, Norman (1997), The Naval Institute Guide to World Naval Weapon Systems 1997-1998, Naval Institute Press.
• - Prezelin, Bernard (1990), The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991, Naval Institute Press.
• - 鈴木昌. "イタリア海軍の艦艇新造計画をさぐる" 『世界の艦船』第365号、海人社.

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