ルポ級フリゲート

ルポ級フリゲートの概要

ルポ級フリゲート（イタリア語: Fregata Classe Lupo）は、イタリアのリウニーティ造船（CNR）によって建造された艦級です。この艦級は対艦兵器が豊富であり、イタリア海軍の戦力強化の一環として4隻が発注されました。さらに、ペルー海軍、ベネズエラ海軍、イラク海軍にも発注され、合計で18隻が建造されましたが、イラクには引渡されず、イタリア海軍に引き取られた艦も存在します。

設計の特色

ルポ級の設計は、前任のアルピーノ級を基に発展しました。艦は中央船楼型の形状を持ち、艦橋は3層構造で、上部には甲板室が搭載されています。艦橋はNA-10射撃指揮装置を備え、艦の後方には煙突があり、その後にはハンガーなどが設けられています。1978年から1979年にかけて新しい後檣が追加され、対空捜索レーダーであるRAN-10Sが装備されました。

この艦級は、CODOG方式を採用した主機関を持ちます。巡航用にはディーゼルエンジンが2基、高速用にはガスタービンエンジンが2基搭載され、推進力は2軸の可変ピッチ式スクリュープロペラによって提供されます。初艦は海上公試にて35.02ノットを記録し、通常の運用で32ノットに到達可能です。

装備の多様性

ルポ級の電子装備には国によって大きな違いが見られますが、全艦に共通して搭載されるのはSバンドのRAN-10S対空捜索レーダーです。また、LバンドとXバンドを使用する対空・対水上レーダーも搭載されています。ソナーは、原型艦にはレイセオン製DE 1160Bが、改型艦にはEDO 610Eが装備され、中周波ソナーとして機能します。

ルポ級は、艦対艦ミサイルを初めて搭載したイタリア海軍の艦級です。主兵装のオトマートミサイルは、艦の構造後部に配置された単装発射筒に実装されています。主砲は艦首甲板に装備された127mm速射砲で、近接防空用には40mm連装機関砲が後部に配置されています。

防空ミサイルについても、艦首背後の構造物にシースパローまたはアルバトロスの8連装発射機が装備されており、射撃指揮装置も搭載されています。艦載機としては中型ヘリコプターが搭載可能ですが、艦型の制約から格納庫には工夫が必要です。

配備状況

イタリア海軍においては、1977年から1980年にかけて原型艦4隻が就役しました。これらはイタリア海軍初のSSM装備艦としてタンカー護衛などの任務に従事しましたが、その後、艦の復原性や耐航性に関する指摘を受け、新たにマエストラーレ級フリゲートが建造されることとなりました。2000年代には全艦が退役し、ペルーに売却されました。

ペルー海軍は1974年に4隻を発注し、国内で建造された艦は南米初の意義ある軍艦として称賛されました。ベネズエラ海軍は6隻を1975年に発注し、その後の近代化改修も行われています。イラク海軍は4隻を発注しましたが、湾岸危機の影響で受け取れず、最終的にはイタリア海軍が引き取ることとなりました。

総括

ルポ級フリゲートは、その対艦兵器や総合的な装備から、歴史的な価値を持つ艦級として多くの海軍に影響を及ぼしました。その強化された戦闘能力は、海軍の戦略的な役割を果たす上で重要な要素となっています。この艦級の成功は、将来的な艦設計や運用においても参考にされることでしょう。

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