エレナ・ドキッチ

エレナ・ドキッチは、旧ユーゴスラビア（現クロアチア）出身のオーストラリア人プロテニス選手です。7歳からテニスを始め、モニカ・セレシュに憧れを抱いていました。11歳の時に内戦を逃れてオーストラリアへ移住。

ジュニア時代からその才能を発揮し、1998年全米オープンジュニアシングルスで優勝。その後、日本の「世界スーパージュニアテニス選手権大会」でも優勝するなど、早くからオーストラリアの新星として注目を集めました。

1999年全豪オープンで4大大会デビューを果たし、3回戦でマルチナ・ヒンギスに挑みました。同年ウィンブルドン選手権では予選を勝ち上がり、1回戦でヒンギスを破るという衝撃的な勝利を挙げ、一躍有名になりました。この大会ではベスト8に進出しています。

しかし、その後のキャリアは順風満帆とは言えませんでした。2000年全豪オープンでの敗戦後には、暴言騒動を起こし、物議を醸しました。同年のシドニー五輪では準決勝まで進出しましたが、メダル獲得はなりませんでした。また、2000年末には国籍をユーゴスラビアに変更し、7年間住んだオーストラリアを離れるなど、コート外でも話題の多い選手でした。

2001年には「イタリアン・オープン」でWTAツアー初優勝を飾り、全仏オープンでは女子ダブルスで準優勝を果たすなど、好成績を収めました。同年には「トヨタ・プリンセス・カップ」と「クレムリン・カップ」でも優勝し、2002年には世界ランキングで自己最高の4位にまで上り詰めました。

しかし、その後は成績が低迷。2005年には再びオーストラリア国籍でプレーすることを表明し、2009年全豪オープンでは10年ぶりの勝利を挙げ、ベスト8に進出するなど復活の兆しを見せました。2011年にはマレーシア・クアラルンプール大会で優勝し、8年ぶりのツアー優勝を果たしています。

2014年1月以降は右手首の怪我のため、公式戦から遠ざかっています。

彼女のキャリアは、その才能と同時に、数々のトラブルや苦難に満ちたものでした。しかし、その波乱万丈な道のりは、多くのテニスファンに記憶されていることでしょう。

WTAツアー決勝進出結果

シングルス: 14回 (6勝8敗)
ダブルス: 10回 (4勝6敗)

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