エンゲルベルト・フンパーディンク

エンゲルベルト・フンパーディンクは、1854年9月1日にドイツのジークブルクで生まれ、1921年9月27日に亡くなったドイツの作曲家です。

生涯

フンパーディンクは、1872年にケルン音楽院に入学し、フェルディナント・ヒラーに師事しました。その後、奨学金を得てミュンヘンでフランツ・パウル・ラハナーとヨーゼフ・ラインベルガーに師事しました。1879年には、ベルリンのメンデルスゾーン基金から奨学金を受け、イタリアへ渡り、ナポリでリヒャルト・ワーグナーの知遇を得ました。

ワーグナーに招かれてバイロイトに滞在し、1880年から1881年にかけて、ワーグナーの楽劇《パルジファル》の上演を補助しました。その後、再び奨学金を得て、イタリアからフランス、スペインを旅行し、2年間バルセロナのリセウ高等音楽院で教鞭を執りました。

1887年にケルンに戻り、1890年にはフランクフルト・ホーホ音楽院の教授に就任しました。この頃には、彼の合唱曲や管弦楽曲が人気を博し始めました。1900年にはベルリンに移り、マイスターシューレの作曲教授に任命されました。

作品

フンパーディンクの作品の中で最も有名なのは、今日ではオペラ《ヘンゼルとグレーテル》です。しかし、彼は他にも《いばら姫》、《王子王女》、《いやいやながらの結婚》など、数々のメルヘン・オペラを作曲しました。

《王子王女》では、アルノルト・シェーンベルクに先駆けてシュプレッヒゲザング（朗唱旋律）が用いられたことでも知られています。

主要作品

オペラ
《ヘンゼルとグレーテル》：1893年12月23日にリヒャルト・シュトラウスの指揮で初演。クリスマスの時期に上演されることが多い。
《いばら姫》：1902年初演。
《いやいやながらの結婚》：1905年初演。
《王子王女》：メロドラマ版は1897年、オペラ版は1910年初演。
《ガウディアムス》：1919年初演。

編曲・校訂作品
交響曲ハ長調（ワーグナー）
* 『神々の黄昏』より「ジークフリートのラインへの旅」（ワーグナー）

フンパーディンクの音楽は、ワーグナーの影響を受けつつも、独自のメルヘン的な世界観を表現しており、その美しい旋律と豊かなオーケストレーションは、今日でも多くの人々に愛されています。


国際楽譜ライブラリープロジェクトでは、彼の楽譜が公開されています。

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