エンゼルフィッシュ

エンゼルフィッシュについて

エンゼルフィッシュ（英語：Angelfish）またはテンニンイシダイと呼ばれるこの魚は、南アメリカ、特にアマゾン川水系に由来を持つ淡水魚です。観賞用熱帯魚の代表格ともいえる存在で、シクリッド科に属し、特にその美しいユニークな形状と色合いで多くの人々に愛されています。エンゼルフィッシュは一般的には、Pterophyllum属に分類されるおよそ3種を指します。

特徴

エンゼルフィッシュは全長おおよそ12から15センチメートルで、体は平たい形状をしています。背びれ、腹びれ、尻びれが長く発達しており、流れるような泳ぎ方が天使のようだと称されています。特に改良された飼育個体の体色は多様性に富み、野生の個体は銀白色で、側面には褐色の横縞が3本あります。

名前の由来は、その優雅な泳ぎ方にあると言われています。エンゼルフィッシュは日本語でも「エンゼル」と呼ばれ、英語での呼称は「Freshwater angelfish」と記されますが、実際には海水魚であるチョウチョウウオに似た種も含めて「Angelfish」という用語が使われているため、注意が必要です。

この魚は主にアマゾン川流域で見られ、水流がほとんどない静かな場所を好んで生息します。通常は水草や木の隙間に隠れていることが多く、肉食性を持ち、昆虫や小魚などを捕食します。そのため、飼う際には小型の魚と一緒にすることは避けるべきです。

エンゼルフィッシュは繁殖時に卵を約1000個、岩や水草などに並べて産卵します。オスとメスが協力して卵を世話しますが、時には親が稚魚を食べてしまうこともあります。一般的に、シクリッドの中では温和な方ですが、縄張り意識が強いため、環境によっては他の魚を攻撃することがあります。特に小型魚は捕食の対象になることがあるため、混泳には注意が必要です。

種類

エンゼルフィッシュは原種として3つの主要な種類があり、その分類には曖昧な部分もあるため、時には4種と見なされることもあります。また、それぞれに独特の特徴があります。

1. スカラレ・エンゼル（P.scalare）
- 最も一般的に知られるエンゼルフィッシュで、アマゾン川流域に広く分布しています。この種の養殖個体は「並エンゼル」と呼ばれ、現地採集個体は「ワイルド・スカラレ」と敬称されることが多いです。

2. アルタム・エンゼル（P.altum）
- 非常に特徴的な形状を持ち、高い背びれと深く凹んだ額が特徴です。飼育や繁殖が難しく、上級者向けとされています。

3. デュメリリィ・エンゼル（P.leopoldi）
- ペルーやコロンビアなどに見られるこの種は、他の2種とは異なり、額が出っ張って丸みを帯びています。

日本にエンゼルフィッシュが初めて輸入されたのは1930年頃とされ、その時以来、数多くの改良品種が作り出されています。特にスカラレ種はバリエーションが豊富で、さまざまな美しい特性を持つ魚が流通しています。

改良品種

エンゼルフィッシュにはさまざまな改良品種があり、その中には以下のような種類があります：

• - マーブル・エンゼル：黒い模様の代わりに大理石のようなパターンを持つ品種。
• - ゴールデン・エンゼル：金色に光る体を持つ改良品種。
• - ダイヤモンド・エンゼル：光沢のある鱗が特徴。
• - アルビノ・エンゼル：白色の体を持つ品種。
• - ホワイト・エンゼル：全身が白い透明感のある種類。
• - ブラック・エンゼル：黒一色の体を持ち、目の虹彩は赤い。
• - グラス・エンゼル：透明感を持つ改良品種。
• - ベールテールエンゼル：長い背びれと尻びれを持つ種類です。

これらの多様なエンゼルフィッシュは、その美しさと独特の特徴から観賞魚として非常に人気があります。彼らの特性や飼育法を知ることで、より良い飼育環境を提供することができ、愛する熱帯魚として楽しむことができます。

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