エンダムカン・スー

エンダムカン・スー：槍の家を背負ったNFLの異端児

エンダムカン・エヌグワ・スー（Ndamukong Ngwa Suh）は、その恵まれた体格と爆発的な運動能力で、NFLのディフェンシブタックルとして一時代を築きました。しかし、彼のキャリアは、数々の輝かしい功績と、それらを覆い隠すかのような数々の問題行為によって彩られています。彼の波瀾万丈なフットボール人生を紐解きます。

プロ入りまで

オレゴン州ポートランドで生まれたスーは、幼少期にサッカー選手を目指していました。しかし、ネブラスカ大学に進学後、アメリカンフットボールに転向。その才能を開花させ、2010年のNFLドラフトでデトロイト・ライオンズから全体2位指名を受けるという、スター街道を駆け上がります。

デトロイト・ライオンズ時代：輝きと問題行動

ライオンズ入団後、スーはすぐにその実力を発揮します。ルーキーイヤーから49タックル、10サック、1インターセプトという驚異的な成績を挙げ、守備部門のルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞。オールプロにも選出され、プロボウルにも出場するなど、スター選手としての地位を確立しました。

しかし、その一方で、スーは数々の問題行動を起こし、物議を醸します。2011年には、感謝祭の日のグリーンベイ・パッカーズ戦で、相手選手の腕を踏みつけるという危険な行為を行い、出場停止処分を受けました。その後も、ヒューストン・テキサンズ戦で相手選手の脚を蹴り、罰金を科されるなど、問題行動が後を絶ちませんでした。

マイアミ・ドルフィンズ時代：高額契約と不協和音

2015年、スーはNFLの守備選手としては当時史上最高額となる6年1億1400万ドルでマイアミ・ドルフィンズに移籍します。しかし、ドルフィンズでは、守備コーディネーターとの間に軋轢が生じ、チームへの貢献度は期待されたほどではありませんでした。

ロサンゼルス・ラムズ時代：スーパーボウル進出

2018年、スーはロサンゼルス・ラムズに移籍。ラムズでは、持ち前の実力を発揮し、チームのスーパーボウル進出に貢献しました。しかし、ニューイングランド・ペイトリオッツとのスーパーボウルでは、チームは敗れ、スー自身も目立った活躍を見せることはできませんでした。

タンパベイ・バッカニアーズ時代：スーパーボウル制覇

2019年、スーはタンパベイ・バッカニアーズに移籍。バッカニアーズでは、ベテランとしての経験を生かし、チームの守備を支えました。2020年には、カンザスシティ・チーフスを破り、自身初のスーパーボウル制覇を達成しました。

その後

バッカニアーズ退団後、フィラデルフィア・イーグルスと契約。その後、2023年シーズンはどのチームにも所属していません。

人物像

スーは、カメルーン出身の父とジャマイカ出身の母を持つ、恵まれた体格の持ち主です。その強靭な肉体と運動能力を生かし、NFLで数々の記録を打ち立てました。しかし、その一方で、試合中の危険な行為も多く、度々批判の対象となりました。米誌「スポーティングニュース」が選んだ「最もダーティーな選手」で1位に選ばれたこともあります。

まとめ

エンダムカン・スーは、その才能と問題行動によって、常に注目を集めてきた選手でした。彼のキャリアは、NFLの歴史において、良くも悪くも特筆すべきものとして記憶されるでしょう。

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