エンブラエル・レガシー600

エンブラエル・レガシー600の概要

エンブラエル・レガシー600は、ブラジルの航空機メーカーエンブラエルによって開発された双発のビジネスジェット機です。この機体は同社が以前に開発したERJ 135というコミューター旅客機を基にしており、設計にはいくつかの改良点があります。具体的には、翼のデザイン変更や追加の燃料タンクの装備があり、長距離飛行に適した機材となっています。

歴史

エンブラエル・レガシー600の開発は2000年に始まり、2006年までに71機が17カ国に販売されています。機体の定価は2,300万USドルであり、同機の対抗馬となるのはカナダのボンバルディア・エアロスペース社が手がけるチャレンジャーシリーズです。レガシー600はその性能やフライトの快適性により、多くのビジネスパーソンにとって魅力的な選択肢となっています。

キャビンと座席配置

レガシー600は内部キャビンが3つのセクションに分かれており、通常は13から16人用の座席を設けることができますが、オプションとして19から37席の旅客機仕様への変更も可能です。乗客は快適に過ごせるよう設計されており、ビジネス利用だけでなくプライベート利用も考慮されています。そして、先進的な操縦技術として、グラスコックピットとフライ・バイ・ワイヤ制御が採用されているため、操縦も容易で安全性も高いのが特徴です。

派生型と性能

この機体には、長距離移動に特化した派生型であるレガシー650も存在します。レガシー650は、燃料搭載量や最大離陸重量が増強されており、さらに広い飛行範囲を提供します。

事故と生還

レガシー600は、2006年9月に発生したゴル航空1907便の墜落事故にも関与しています。この事故では、ボーイング737-800との空中衝突が発生し、ゴル航空の機体が墜落しましたが、レガシー600は翼端のウィングレットのみが損傷し、乗員は無事でした。この経験からも、レガシー600は高い安全性を装備していることが証明されました。

仕様

この機体は、乗員2名とオプションで客室乗務員1名、さらに乗客として13名を収容することができます。全長は26.33m、翼幅は21.17m、高さは6.76mで、空虚重量は16,000Kg、最大離陸重量は22,500Kgに及びます。エンジンにはロールス・ロイスAE3007Aターボファンエンジンが2基搭載されており、各エンジンは33.0kN（7,420lbf）の推力を発揮します。

最大速度は834Km/h（450ノット、518mph）、航続距離は6,019km（3,250nmi、3,740mile）、上昇限界高度は12,496mで、乗員2名、乗客13名の構成での数値です。これらの性能によって、レガシー600はビジネスジェットの中でも非常に競争力のある機体となっています。

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