エンポリ

エンポリ（Empoli）は、イタリア共和国トスカーナ州フィレンツェ県に位置する基礎自治体（コムーネ）であり、人口は約49,000人です。

名称

エンポリは、イタリア語の発音では「ˈempoli」となり、第一音節にアクセントがあります。日本語では「エンポーリ」と表記されることもありますが、より正確な発音は「エンポリ」です。

地理

位置・広がり

エンポリは、アルノ川によって形成された平野の南側に位置し、フィレンツェから約25km西南西にあります。この平野は古代ローマ時代から農業に利用されており、肥沃な土地が広がっています。アルノ川から離れると、コムーネの領域は小高くなっています。エンポリは、フィレンツェとピサを結ぶ主要鉄道線上に位置しており、シエーナへの路線の分岐点にもなっています。この立地から、エンポリは古くから交通の要衝として栄えてきました。また、農業の中心地としての伝統は現在も続いており、地元産アーティチョークは特産品として知られています。

隣接コムーネ

エンポリに隣接するコムーネは以下の通りです。

カプラーイア・エ・リーミテ
カステルフィオレンティーノ
チェッレート・グイーディ
モンテルーポ・フィオレンティーノ
モンテスペルトリ
サン・ミニアート (ピサ県)
ヴィンチ

気候分類・地震分類

エンポリは、イタリアの気候分類ではzona Dに属し、年間暖房度日数は1658 GGです。地震リスク階級では、zona 3（低い地震リスク）に分類されています。

歴史

エンポリの歴史は古く、ローマ帝国初期には既に集落が形成されていました。4世紀までの遺跡から、当時の生活や交易の様子が伺えます。アルノ川は、農産物や地元産のアンフォラの交易ルートとして重要な役割を果たしました。4世紀のタブラ・ペウティンゲリアナには、「in portu（港内）」としてエンポリが登場し、フィエーゾレやフィレンツェからピサへ通じるローマ街道「Via Quinctia」の河港でした。また、「Via Salaiola」というヴォルテッラの塩湖へ続く道にも位置していました。

8世紀以降、エンポリは拡大し、城を中心とした町「エンポリウム」または「エンポリス」として発展しました。1119年にはグイーディ伯領に併合され、1182年にはフィレンツェの支配下に入りました。1260年のモンタペルティの戦い後、エンポリでは、ファリナータ・デッリ・ウベルティがフィレンツェ破壊に反対した有名な会議が開かれました。

その後、エンポリは重要な要塞となり、度重なる攻撃や略奪に見舞われました。1530年には、エンポリ陥落により、フィレンツェ共和国の自治は終焉を迎えました。

行政

分離集落

エンポリには、以下の分離集落（フラツィオーネ）があります。

Brusciana
Casenuove
Corniola
Cortenuova
Fontanella
Marcignana
Martignana
Molin Nuovo
Monterappoli
Pagnana
Ponte a Elsa
Pianezzoli
Pozzale
Sant'Andrea
Tinaia
Villanuova

スポーツ

エンポリは、プロサッカークラブのエンポリFCの本拠地として知られています。エンポリFCは、21世紀に入ってからセリエAとセリエBの間を昇降を繰り返していますが、常に地域を代表するクラブとして活動しています。

姉妹都市

エンポリは以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ザンクト・ゲオルゲン・アン・デア・グセン（オーストリア）
オーベルヴィリエ（フランス）
ブザンソン（フランス）
トレド（スペイン）
ナミュール（ベルギー）

もう一度検索