エンリク・パロマー

エンリク・パロマー: カタルーニャの作曲家

エンリク・パロマー（Enric Palomar）は、1964年にスペインのバルセロナ県バダロナで生まれたカタルーニャ出身の作曲家です。彼は、バルセロナ音楽院で音楽教育を受け、その後、著名な作曲家であるベネット・カサブランカスやジュアン・アルベルト・アマルゴスに師事しました。彼の音楽キャリアは、数々の受賞歴や国際的な公演によって彩られています。

パロマーは、特に「寓意的間奏曲（クロード・ドビュッシーに捧げる）」という作品で評価され、第10回全カタルーニャ作曲コンクールで2席に入賞しました。この受賞によって彼の名声は広まり、多くの室内楽作品やオペラの創作へとつながっていきます。

彼のオペラ作品には、アナ・マリア・モイスとラファエル・センデルのリブレットによって1998年に初演された『Ruleta』があり、また、2005年にはフアナ女王の生涯を基にした『Juana』がドイツ、バルセロナ、ダルムシュタットで上演されました。これらの作品は、ストーリーテリングの技術と音楽の融合によって高く評価されています。

さらに、パロマーはリセウ大劇場からの委託により、ラモン・マリーア・デル・バリェ＝インクランの戯曲を基にしたオペラ『La cabeza del Bautista』を作曲し、2009年にバルセロナで初演されたことでも注目されています。彼の作品は、現代オペラの新たな方向性を示すものとして受け入れられています。

また、パロマーはジャズやポピュラー音楽にも精通しており、フラメンコ音楽の分野では作曲家、編曲家、音楽監督としても多くの功績を残しています。特に「Lorca」というピアノ曲や、フラメンコのための作品『ジタナ組曲』、ラファエル・アルベルティの歌詞による「Poemas del exilio」は、彼の代表作の一部として知られています。

2011年には、ジュゼップ・カバリェー・ドメネク指揮、イバン・マルティンのピアノ、バルセロナ交響楽団およびカタルーニャ国立管弦楽団との協演により、彼のピアノとオーケストラのための協奏曲が初演されました。これは、彼の音楽的才能がオーケストラとも深く結びついていることを示す一例です。

さらに、2011年には、スペイン国立バレエ団によって作曲したバレエ『Negro Goya』が、グラナダのアルハンブラ宮殿ヘネラリフェの庭園で初演されました。

彼の他の作品には、「Alboradas」、「Thamar y Amnon」、「Salomé」、「Homenaje a Manuel de Falla」、「Mare coratge i els seus fills」、「Nana de la cigüeña」などがあり、広範囲にわたる作風を持っています。

現在、パロマーはバルセロナの音楽学校Taller de Músicsで芸術監督として、若い音楽家たちの育成に力を入れています。彼の音楽は、ジャンルを超えて影響を与え、今後の世代にも大きなインスピレーションを提供し続けることでしょう。

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