エーグル・アズール

エーグル・アズール (Aigle Azur)

エーグル・アズール（Aigle Azur）は、過去にフランスで事業を展開していた民間の航空会社です。第二次世界大戦が終結した後のフランスにおいて、初めて民間企業として設立された航空会社の一つであり、1946年に営業飛行を開始しました。創業当初は、ユンカースJu 52型機が運航に使用されていました。

運航路線とサービス

同社は、主にフランス本国と北アフリカのアルジェリアを結ぶ定期便ネットワークを構築し、両国間の重要な航空路として機能していました。これに加え、ヨーロッパ各地へのチャーター便運航も積極的に行っていました。航空券の予約管理システムとしては、アマデウスITグループが提供するアマデウス・システムを導入し、利用客へのサービス提供に活用していました。

経営の変化と事業拡大の試み

経営体制にも変化が見られ、2000年代にはGoFastグループの傘下に入りました。さらに2012年には、中国の航空大手である海南航空グループがエーグル・アズールの株式の48%を取得し、GoFastグループと並ぶ主要な株主として経営に参画しました。この頃、大型機であるエアバスA330型機の導入も進め、これまでの短・中距離路線に加え、長距離国際線市場への参入も視野に入れた事業拡大を計画していました。

経営破綻

しかしながら、経営状況が悪化し、事業継続が困難となりました。その結果、エーグル・アズールは2019年9月6日をもって保有する全便の運航を停止し、経営破綻に至りました。これは、フランスの航空業界において大きなニュースとして報じられました。

保有機材

経営破綻時点での主要な保有機材は以下のとおりでした。

エアバスA330-200：2機
エアバスA320：8機
エアバスA319：1機

これらの機材は、主にフランスとアルジェリア間の路線やチャーター便で運用されていました。

パートナー航空会社

エーグル・アズールは、経営戦略の一環として、他の航空会社との提携関係を構築していました。これにより、自社ネットワーク外への乗り継ぎや共同運航などを通じて、利用客の利便性向上を図っていました。提携していた主な航空会社は以下のとおりです。

エア・カライベス (Air Caraïbes)
アズールブラジル航空 (Azul Linhas Aéreas Brasileiras)
コルセール・インターナショナル (Corsair International)
海南航空 (Hainan Airlines)
S7航空 (S7 Airlines)
* TAPポルトガル航空 (TAP Air Portugal)

エーグル・アズールは、第二次世界大戦後のフランス航空史において、民営航空の先駆けとして重要な役割を果たしましたが、時代の変化と経営の課題に直面し、その歴史に幕を下ろしました。

もう一度検索