アズールブラジル航空とは？意味をやさしく解説

アズール ブラジル航空

アズールブラジル航空（ポルトガル語: Azul Linhas Aéreas Brasileiras S/A）は、南米最大の国ブラジルの航空業界において、重要な地位を占める格安航空会社（LCC）です。ブラジル南東部の都市バルエリに主要な拠点を置いています。

概要と歴史

この航空会社は、アメリカの成功した格安航空会社であるジェットブルー航空の創設者として知られるデイヴィッド・ニールマン氏（英語版）によって、2008年5月5日に設立されました。ニールマン氏は長年にわたりジェットブルーの経営を主導し、その急成長に貢献しましたが、2007年に悪天候による大規模な欠航発生の責任を負う形で、最高経営責任者（CEO）の職を辞することになりました。

CEOを退いた後も取締役会議長として経営に携わる傍ら、ニールマン氏は新たな事業の立ち上げを模索し、航空会社とフライトスクールの経営に乗り出すことを目指しました。そして、新たな挑戦の地として彼が選んだのは、自身の故郷であるブラジルでした。彼は2008年3月27日に新しい航空会社の設立計画を正式に発表し、同年5月21日付でジェットブルーを正式に退職。アズール航空設立に向けた本格的な準備期間に入りました。そして、設立からわずか数カ月後の同年12月15日、アズール航空はブラジル国内のカンピーナス、サルバドル、ポルトアレグレを結ぶ路線で、記念すべき最初のフライトを運航開始しました。

その後の事業拡大として、2012年5月28日には、ブラジルの地域航空会社トリップ航空（英語版）との経営統合を発表しました。この統合は2014年5月に完了し、アズール航空の運航ネットワークと規模は大きく拡大しました。また、2014年12月には、エアバスA330-200型機を導入し、フォートローダーデールやオーランドといった北米の都市への路線を開設。これにより、ブラジル国内線中心の事業から、長距離国際線市場への参入を果たし、新たな展開を見せました。

保有機材

2022年10月現在、アズールブラジル航空は多様な航空機を運航しています。主力機材は、地元ブラジルの航空機メーカーであるエンブラエル社のE-Jetシリーズに加え、エアバスやATRといったヨーロッパ製の機材が中心となっています。これらの機材構成により、短距離の地域路線から長距離の国際線まで、幅広いフライトに対応しています。

過去には以下の機材も運航していました。

- ATR42-200
- エンブラエル175

サービス

ブラジル国内の格安航空市場では、アメリカのサウスウエスト航空のビジネスモデルを取り入れたゴル航空が既に大きなシェアを確立していました。しかし、ニールマン氏はアズール航空の運航開始にあたり、「距離あたりの運賃は、まだアメリカの航空運賃と比較して50パーセントも高い。最終的には、バスの運賃と同等の水準まで引き下げることを目標としている」と述べ、ゴル航空よりもさらに競争力のある低価格運賃を提供していく方針を示しました。

一方で、アズール航空は単なる価格競争に留まらず、サービスの質向上にも積極的に取り組む姿勢を明確にしています。機内サービスにおいては、保有する機材の大部分で座席背面にパーソナルモニターを設置しています。これにより、ライブテレビとしてニュースやスポーツ、アニメなど、多彩なコンテンツをリアルタイムで楽しむことが可能です。また、ソフトドリンクやスナック菓子は無料で提供するなど、お客様へのホスピタリティにも力を入れています。特に国際線などで使用されるエアバスA330-200型機には、ビジネスクラスも設けられており、より快適な空の旅を提供しています。

提携・コードシェア

アズールブラジル航空は、他の航空会社との提携やコードシェア協定を通じて、そのネットワークを広げています。主な提携先には、ジェットブルー、TAPポルトガル航空、ユナイテッド航空などが含まれます。

主な就航都市

アズールブラジル航空は、ブラジル国内の主要都市を結ぶ広範なネットワークを展開しています。また、国際線としては、北米やヨーロッパの一部都市にも就航しています。

ブラジル国内線（一部）

国際線

- フォートローダーデール（アメリカ）
- オーランド（アメリカ）
- リスボン（ポルトガル）

アズールブラジル航空は、手頃な運賃と質の高いサービスを両立させることで、ブラジル国内だけでなく国際市場においてもその存在感を高めています。

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