エース・クラッシャー

エース・クラッシャー：プロレスラー、ジョニー・エースの代名詞的必殺技

ジョニー・エースが考案したプロレス技「エース・クラッシャー」は、彼の代名詞ともいえる必殺技です。破壊力の高いこの技には、旧型と新型、そしていくつかの派生技が存在し、それぞれのフォームや効果に違いが見られます。技名の由来は、考案者であるジョニー・エースの名前と、その破壊力からきています。エース格のレスラーをこの技で倒し、自らがエース格となる、という強い意志も込められていると考えられます。

技の変遷：旧型から新型へ

初期の「エース・クラッシャー」（旧型）は、相手の顎を自分の肩口に乗せて固定し、ジャンプして尻餅をつくように着地することで、顎と首にダメージを与える技でした。しかし、この技は、レスラー自身の体への負担も大きく、改良版が開発されました。

改良された新型は、相手の顔面を肩口に乗せて固定し、ジャンプ後は尻餅をつくのではなく、身体を前方に投げ出し、背中からマットに倒れ込むことで、顔面と首にダメージを与えます。着地の衝撃を分散させることで、レスラー自身の負担を軽減したと考えられます。旧型は新型が登場してからは、ほとんど使用されなくなりました。

パフォーマンス性：Vサインと雄叫び

エース・クラッシャーを使用する際、多くのレスラーが「エース・クラッシャー！」と叫び、片手でVサインをするパフォーマンスを披露します。これは、技のインパクトを高めるだけでなく、観客を煽る効果も持ち合わせています。技後にもVサインをするレスラーもいます。

多様な派生技：メキシカン・エース・クラッシャー

エース・クラッシャーには、複数の派生技が存在します。その一つが「メキシカン・エース・クラッシャー」です。これは、走ってきた相手をリフトアップし、空中でキャッチして新型のエース・クラッシャーで叩きつけるという、高度なテクニックを要する技です。ルチャリブレを思わせる華麗な動きが特徴的です。三沢光晴との対戦を想定して考案された技であり、ダッドリー・ボーイズの合体技「ダッドリー・デス・ドロップ」を彷彿とさせる複雑な動きが用いられています。

もう一つの派生技：ギロチン・エース・クラッシャー

「ギロチン・エース・クラッシャー」は、一見エース・クラッシャーの派生技のようですが、実際は別個に開発された技です。前かがみさせた相手の首筋に足を掛け、ジャンプして尻餅をつくように着地し、相手の顔面をマットに叩きつけるというものです。マーティ・ジャネッティのロッカー・ドロッパーや、ビリー・ガンが使用するフェイマサーと類似した技と言えます。

ダイヤモンド・カッターとの関係性：元祖は新型エース・クラッシャー？

ダイヤモンド・カッターの元祖が新型エース・クラッシャーであるという説があります。ジョニー・エースがダイヤモンド・ダラス・ペイジに新型のエース・クラッシャーを伝授し、それがダイヤモンド・カッターとして発展したというのです。この説には異論もありますが、エース・クラッシャーの開発時期とダイヤモンド・カッターの登場時期を考慮すると、新型エース・クラッシャーが元祖である可能性は高いです。旧型は腰への負担が大きいため、腰痛持ちのダイヤモンド・ダラス・ペイジが新型を採用した可能性も考えられます。太陽ケアも、ハワイアン・クラッシャー使用時に尾てい骨を骨折した経験から、技のかけ方を改良しています。

まとめ

エース・クラッシャーは、その高い破壊力と派生技の豊富さ、そしてパフォーマンス性から、プロレス史に名を刻む必殺技と言えるでしょう。旧型と新型、そして様々な派生技の比較を通して、プロレス技の進化とレスラーたちの工夫を垣間見ることが出来ます。

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