エーデルワイス (製菓業)

株式会社エーデルワイスは、兵庫県神戸市中央区に本社を構える、日本の洋菓子・パン製造販売会社です。

創業と発展

沖縄県石垣島出身の比屋根毅氏が、大阪での菓子製造会社での修行を経て、1966年に兵庫県尼崎市で創業しました。1976年には本社を現在の神戸市に移転しましたが、尼崎市には工場や研究所を併設した本部センターが今も残っています。1971年から2003年までは、エーデルワイスブランドの店舗をフランチャイズ方式で運営していました。2004年以降は、会社名と工場直営店の名称としてその名を残しつつ、高級化路線へと舵を切りました。

多彩なブランド展開

現在では、ヴィタメール、アンテノール、ル ビアン、ノワ・ドゥ・ブール、ビスキュイテリエ ブルトンヌといった、高級感あふれるブランドを多数展開しています。これらのブランドは、それぞれ独自のコンセプトと製法を持ち、幅広い顧客層に支持されています。

社名と社是

社名のエーデルワイスは、比屋根氏が修行時代から大切にしてきた「忍耐と信用」というモットーと、エーデルワイス（セイヨウウスユキソウ）の花言葉「忍耐」に由来します。この「忍耐と信用」は、現在もエーデルワイスの社是として受け継がれています。

創業者・比屋根毅氏の功績

比屋根毅氏は、菓子職人として数々の受賞歴を持ち、全国洋菓子技術コンテストでは内閣総理大臣賞を受賞しています。また、エーデルワイスの代表取締役会長時代には、兵庫県洋菓子協会会長、日本洋菓子協会連合会副会長、尼崎商工会議所副会頭を兼務するなど、業界の発展に大きく貢献しました。2010年には旭日双光章を受章しています。

人材育成への貢献

比屋根氏は、後進の育成にも熱心に取り組みました。エーデルワイスの菓子職人を研修生として毎年ベルギーへ派遣するほか、兵庫県洋菓子協会会長在任中には協会内に「海外研修制度」を創設しました。これらの功績が認められ、2012年にはベルギーからレオポルド2世勲章コマンドゥール章を授与されました。

洋菓子ミュージアム

2020年に82歳で逝去するまで、比屋根氏は数百年前の洋菓子製造に関する器具や書物などを私財で収集していました。これらのコレクションの一部は、本社内の洋菓子ミュージアムに展示され、一般公開されています。

主なブランド

エーデルワイス: 工場直営の尼崎店のみ営業。
アンテノール: ギリシャ神話の知将に由来。関西圏・首都圏などに出店。
ル ビアン: フランス・ブルターニュ地方のパン職人に由来。百貨店や駅ビルに出店。
ヴィタメール: ベルギー王室御用達の菓子店との提携ブランド。
ノワ・ドゥ・ブール: 焼きたてにこだわるフランス風焼き菓子専門店。
ビスキュイテリエ ブルトンヌ: ブルターニュ風焼き菓子専門店。
* 四季菓子の店 HIBIKA: 「にっぽんの洋菓子」がコンセプト。

メディア掲載

比屋根毅氏は、テレビ東京の経済番組「カンブリア宮殿」にも出演し、その波乱万丈な人生が紹介されました。

エーデルワイス ミュージアム

エーデルワイス本社内にある予約制の有料展示施設では、ヨーロッパの製菓に関する道具や資料など、約3,000点が公開されています。

株式会社エーデルワイスは、創業者の精神を受け継ぎながら、常に新しい挑戦を続け、日本の洋菓子業界を牽引する存在として、これからも発展していくことでしょう。

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