エーリヒ1世 (ブラウンシュヴァイク＝カレンベルク＝ゲッティンゲン公)

エーリヒ1世：カレンベルク＝ゲッティンゲン侯の生涯

エーリヒ1世（Erich I., 1470年2月16日 - 1540年7月30日）は、ブラウンシュヴァイク＝リューネブルク公の一員であり、1494年から1540年までカレンベルク＝ゲッティンゲン侯として領地を治めました。彼はブラウンシュヴァイク＝ヴォルフェンビュッテル侯ヴィルヘルム2世とエリーザベト・ツー・シュトルベルクの次男として生まれ、ヴォルフェンビュッテル侯ハインリヒ1世の弟にあたります。

生涯

1491年に父が退位した後、エーリヒ1世は兄のハインリヒ1世と領土を共同統治していましたが、1494年（または1495年）に領土を分割し、カレンベルクとゲッティンゲンの領主となりました。彼は神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世に軍人として仕え、オスマン帝国との戦いや、イタリアでのフランスとの戦争に参戦しました。また、ランツフート継承戦争にも従軍し、1504年にはレーゲンスブルクでマクシミリアン1世の危機を救い、クーフシュタインでは皇帝を説得して捕虜の処刑を中止させました。

1519年、甥のハインリヒ2世（兄の後継者）とヒルデスハイム司教が領土を巡って衝突すると、エーリヒ1世はハインリヒ2世に加勢しました。しかし、同族のリューネブルク侯ハインリヒ1世がヒルデスハイム司教の援軍として出陣したため、エーリヒ1世は敗れて捕虜となりました。その後、神聖ローマ皇帝カール5世によって釈放され、ハインリヒ1世はフランスへ亡命しました。1523年にはヒルデスハイム司教と和睦し、多くの領土を獲得しました。

1527年、エーリヒ1世はダッセル（現在のニーダーザクセン州ノルトハイム郡）に城の建設を開始しました。1528年に2番目の妻エリーザベトが息子エーリヒを産んだことから、その子にちなんでエーリヒスブルク城と名付けられ、1530年に完成しました。また、ハノーファーで射撃祭（シュッツェンフェスト）を行うことを許可し、この行事は現在も続いています。宗教改革が始まった時期にはプロテスタントに同情的でしたが、自身はカトリックのままでした。しかし、妻のエリーザベトはプロテスタントに改宗しました。

1540年、エーリヒ1世はアグノーで死去し、一人息子のエーリヒ2世が後を継ぎました。

子女

エーリヒ1世は2度の結婚をしています。

1. 1497年、ザクセン公アルブレヒト3世の娘カタリーナと結婚しましたが、1524年に死別しました。彼女との間には子供はいませんでした。
2. 1525年、ブランデンブルク選帝侯ヨアヒム1世の娘エリーザベトと再婚し、3人の子供を儲けました。
エリーザベト（1526年 - 1556年） - ヘンネベルク伯ゲオルク・エルンストと結婚。
エーリヒ2世（1528年 - 1584年） - カレンベルク＝ゲッティンゲン侯を継承。
アンナ・マリア（1532年 - 1568年） - プロイセン公アルブレヒトと結婚。
カタリーナ（1534年 - 1559年） - ヴィルヘルム・フォン・ローゼンベルクと結婚。

エーリヒ1世は、激動の時代を生き抜き、領土の拡大と安定に貢献した人物として、歴史に名を残しています。また、ハノーファーの射撃祭を許可するなど、文化的な側面でも功績を残しました。

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