ブラウンシュヴァイク＝リューネブルク

ブラウンシュヴァイク＝リューネブルク公国の歴史

ブラウンシュヴァイク＝リューネブルク（Braunschweig-Lüneburg）は、神聖ローマ帝国の北西部に位置し、中世後期から近世にかけて存在した歴史的な公国である。この地域は、長い間ヴェルフ家によって統治され、公国の拠点となったリューネブルクとブラウンシュヴァイクは、その歴史の中心地であった。

この公国の起源は、バイエルン公兼ザクセン公であるハインリヒ獅子公に遡る。彼は12世紀後半に第1次ザクセン公国を築いたが、1180年には神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世の命によりザクセン公の地位を追われた。しかし、ニーダーザクセンに残された領土は彼の息子たちによって引き継がれ、ブラウンシュヴァイク＝リューネブルク公国が形成された。最初の公爵であるオットー1世は1235年に公爵位を得た。

1267年には、オットー1世の2人の息子によって公国が分割され、ブラウンシュヴァイク＝ヴォルフェンビュッテルとリューネブルク＝ツェレがそれぞれの兄弟に引き継がれた。この分割は、後の小規模な公国群への道を開くこととなる。公国を構成する各地域はすべてヴェルフ家の系統に属し、家族の結束を強化するために従兄妹婚がしばしば行われていた。

公国内の権力の中心は、徐々にリューネブルクやブラウンシュヴァイクから、ツェレやヴォルフェンビュッテルに移行していった。そして、1500年にはいくつかの非公式な領域も帝国領邦として法的な承認を受けることとなった。1792年の段階では、リューネブルク＝ツェレ、カレンベルク、グルーベンハーゲン、ブラウンシュヴァイク＝ヴォルフェンビュッテルなどが帝国議会に議席を持っていた。

ハノーファー市はブラウンシュヴァイク＝リューネブルク公国の経済的中心としての地位を獲得し、多くの公爵がそこに居を構えることとなる。1634年、ヴォルフェンビュッテル侯領とカレンベルク侯領が一つの勢力下に入った結果、ゲオルクが統治を開始し、ハノーファーへの移居が進んだ。1692年には、エルンスト・アウグストが神聖ローマ皇帝から選帝侯の称号を得、ハノーファー選帝侯領が成立する。

この選帝侯領の成立は、プロテスタントとカトリックの間のイデオロギー対立の一環であったが、帝国内での領土争いにも利用された。この過程を経て、ハノーファー選帝侯ゲオルク・ルートヴィヒは1707年にイギリスの王位相続者として指名され、結果的にイギリス王国とハノーファーの人的同君連合が成立した。

1806年には、ナポレオン戦争により神聖ローマ帝国が解体されると、ハノーファー選帝侯領は他の領邦を吸収し、1814年にハノーファー王国が設立された。しかし、1837年にイギリス王ウィリアム4世の死去に伴い、この同君連合は消滅。ハノーファー王国はその後、1866年に消滅する運命にあり、普墺戦争においてプロイセンによる征服を受けた。

結論

ブラウンシュヴァイク＝リューネブルク公国は、中世から近世にかけての複雑な歴史を経て、現代ドイツの中心的な地域の一つを形作った。かつての公国の跡地は、現在のニーダーザクセン州となっており、その歴史的遺産は今も多くの人々に記憶されている。

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