エーレスンド海峡

エーレスンド海峡の概要

エーレスンド海峡（スウェーデン語: Öresund、デンマーク語: Øresund）は、デンマークとスウェーデンを隔てる海の通路で、バルト海と北海をつなぐ重要な水路です。この海峡は、デンマーク領シェラン島とスウェーデン領スコーネ地方との間に位置しており、最も狭い部分ではわずか7kmの距離しかありません。かつては冬季に凍結することもあり、徒歩で渡ることが可能でした。

海峡内には、デンマークのサルトホルム島やスウェーデンのヴェン島が含まれており、ヴェン島は夏の観光地として人気を集めています。特に、16世紀の著名な天文学者ティコ・ブラーエによって設立されたウラニボリ天文台やステルネボリ天文台があり、それらが島の歴史的な魅力を引き立てています。

名称について

エーレスンドにはいくつかの異なる呼称があります。オアスン海峡、オーレスン海峡、エーレソン海峡など様々な名称で知られています。また、ドイツ語では「Der Sund」として知られ、英語では「The Sound」と訳されることもあります。これらの名前は共通して海峡を指しますが、地域によって表現が異なります。

歴史的背景

エーレスンド海峡は、歴史的にデンマークの勢力範囲に属しており、特にスウェーデン側のスコーネ地方もまたデンマークの一部でした。この海峡は、バルト海から北海への主要な通路であり、1429年にはデンマーク王エーリク7世によって、外国籍の船舶に対して通行税が課せられるようになりました。この税金はデンマークの王室の財政には寄与しましたが、スウェーデンをはじめとする近隣国との関係を悪化させる要因ともなりました。

スウェーデンは1645年から1720年にかけて、エーレスンド海峡の自由通行権を独自に確保していました。1658年に締結されたロスキレ条約では、スコーネ地方がスウェーデンの領有となりました。海峡の通行税を徴収するために使用されたクロンボー城は、シェイクスピアの戯曲『ハムレット』の舞台としても知られており、文化的にも重要なスポットです。

エーレスンド地域

エーレスンド海峡の両側には、デンマークのコペンハーゲン地域とスウェーデンのスコーネ地域が広がっており、これらをまとめて「エーレスンド地域」と呼びます。特にコペンハーゲンはシェラン島の首都として知られ、スウェーデン側のマルメ市やルンド市などと合わせて、地域の都市圏の人口は190万人に達し、北ヨーロッパで最大級の都市圏の一つとされています。

エーレスンド・リンク

2000年には、コペンハーゲンとマルメを結ぶエーレスンド・リンクが開通しました。このリンクは、橋と海底トンネルからなる複合交通網であり、海底トンネルがデンマーク側に、人工島であるペベルホルム島を挟んでスウェーデン側が橋梁という構造になっています。

エーレスンドはその美しい風景や歴史的背景、交通インフラによって、観光地としても多くの魅力を誇っています。

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