エー・アイ・アイ

エー・アイ・アイ株式会社について

エー・アイ・アイ株式会社（AII Inc.）は、日本のテレビ番組制作会社です。スカパー!のデータ放送チャンネルの制作請負などを主な事業としています。かつてはブロードバンド向けコンテンツ配信事業を主力としていましたが、2007年に動画配信事業から撤退し、現在はテレビ番組制作に特化しています。

概要

2000年4月、ソニー、東京急行電鉄、トヨタ自動車の3社がコンテンツ・ディストリビューション・サービス（CDS）プロバイダ事業を目的として、AII企画株式会社を設立しました。AIIは「Advanced Internet Integration」の略称です。設立当初からブロードバンド向け動画配信に注力し、同年7月には日本初の試みとして「TUBEハワイライブ」の配信実証実験を実施しました。

2000年12月にはAII株式会社に社名変更し、ブロードバンド向けコンテンツ配信事業を本格的に開始しました。当初はCATVインターネットを主な対象としていましたが、ADSLやFTTHの普及に伴い、ブロードバンド環境を持つユーザー全般を対象とするようになりました。2003年3月にはソニーネットワークコンテンツ株式会社と合併し、コンテンツ配信に加え、配信網の構築・運営も行うようになりました。

2005年4月には日本テレビの出資を受け、同年10月には毎日放送製作のアニメ『BLOOD+』を無料配信するなど、テレビ局との連携も深めました。しかし、2007年3月に法人向け動画配信プラットフォーム事業をアッカ・ネットワークスに、同年7月には個人向け動画配信事業「AII」をブイオーディ・システムズに譲渡し、動画配信事業から撤退しました。

沿革

2000年4月7日：ソニー、東急電鉄、トヨタ自動車の均等出資により、AII企画株式会社を設立。
2000年12月27日：AII株式会社に社名変更。
2001年2月：個人向け動画配信サービス「AII」を開始。
2001年3月25日：日本初のサッカー日本代表戦のブロードバンドインターネット配信を実施。
2001年12月：インターネットラジオ放送局「ラジ＠」をアスキーより買収。
2002年9月1日：テレビ番組のブロードバンド配信サービス「トレソーラ」の配信を受託。
2003年3月1日：ソニーネットワークコンテンツと合併し、エー・アイ・アイ株式会社となる。
2005年4月15日：日本テレビなどから第三者割当増資を実施。
2005年10月1日：月額会員制サービス「Screenplus」を開始。
2007年3月1日：法人向け動画配信プラットフォーム事業をアッカ・ネットワークスに譲渡。
* 2007年7月1日：「AII」をブイオーディ・システムズに譲渡。

主要サービス

AII

AIIは、エー・アイ・アイが運営していた個人向け動画配信サービスです。韓流ブームの際に韓国ドラマポータル「ドラマ韓」が人気を博し、会員数を大幅に増加させました。ID登録は無料でしたが、コンテンツはほとんどが有料でした。Windows Media Playerを使用していたため、OSはMicrosoft Windowsに限定されていました。2007年7月にブイオーディ・システムズに事業譲渡され、その後「Viena（ビーナ）」に名称変更されました。

ラジ＠（ラジアット）

アスキーが開設したインターネットラジオ放送局で、エー・アイ・アイが買収しました。最盛期には日本最大級のインターネットラジオ放送局に成長しましたが、2004年9月にサービスを終了しました。

声優Wave

声優のトーク番組に特化した有料配信サイトで、2001年12月から2006年6月までサービスを提供していました。

Screenplus

2005年10月にスタートした会員制有料動画配信サービスで、エー・アイ・アイの上位サービスとして位置づけられていました。2006年6月にサービスを終了し、一部のコンテンツはAIIで視聴できるようになりました。

まとめ

エー・アイ・アイ株式会社は、ブロードバンド黎明期からコンテンツ配信事業に携わり、様々なサービスを展開してきました。動画配信事業からの撤退後は、テレビ番組制作会社として新たな道を歩んでいます。その歴史は、日本のインターネットコンテンツ配信の変遷を語る上で重要な一例と言えるでしょう。

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