オオサンショウウオ属

オオサンショウウオ属（Andrias）について

オオサンショウウオ属は、有尾目オオサンショウウオ科に属する水生生物です。現生種としては、日本、中国に分布しており、その独特な形態と生態から、多くの人々に知られています。

分布

オオサンショウウオ属は、主に東アジアに生息しています。

日本
中華人民共和国

また、化石種は北米やヨーロッパでも発見されており、かつてはより広い範囲に分布していたことが示唆されています。

A. matthewi（化石種）：北米
A. scheuchzeri（化石種）：ヨーロッパ

分類

かつては、化石種をAndrias属、現生種をMegalobatrachus属として分けていましたが、形態的な差異が少ないことから、現在では同属とする説が有力です。AndriasとMegalobatrachusは同じ論文内で記載されましたが、Andriasの方が先に記述されていたため、Megalobatrachusはシノニム（異名）として扱われます。

近年、中国に生息するオオサンショウウオ属の種は、これまで1種と考えられていましたが、実際には複数種が存在することが明らかになりました。これらの種は、遺伝的な特徴や形態的な差異に基づいて区別されています。

種

オオサンショウウオ属に分類される種は以下の通りです。

Andrias cheni（Qimen giant salamander）
Andrias davidianus（チュウゴクオオサンショウウオ Chinese giant salamander）
Andrias japonicus（オオサンショウウオ Japanese giant salamander）
Andrias jiangxiensis（Jiangxi giant salamander）
Andrias sligoi（スライゴオオサンショウウオ）
Andrias matthewi（化石種）：史上最大のオオサンショウウオとされ、全長は最大で2.3メートルに達すると推定されています。
Andrias scheuchzeri（化石種）：発見当初、ノアの洪水で死亡した人間の骨であると誤認されていました。しかし、ジョルジュ・キュヴィエによってオオサンショウウオの化石であることが明らかにされました。

特定外来生物指定について

2024年7月1日より、A. japonicus*（オオサンショウウオ）を除くオオサンショウウオ属の種および交雑種は、特定外来生物に指定されます。これにより、これらの生物の飼育、譲渡、販売、放出などが原則として禁止されます。生態系への影響を防止するための措置となります。

オオサンショウウオ属は、その進化の歴史や多様な種構成など、多くの興味深い側面を持っています。しかし、生息地の破壊や外来種との交雑など、様々な脅威にさらされています。オオサンショウウオ属の保全のためには、生息環境の保護や外来種の管理など、総合的な対策が求められています。

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