オオハム

オオハム（Gavia arctica）

オオハムは、アビ目アビ科に属する冬鳥で、日本では冬季に見ることができます。この鳥は大きな体と特徴的な外見を持ち、主に魚を捕まえながら越冬します。北ヨーロッパやシベリアなど広範な地域に分布し、繁殖や越冬場所として多様な水域を利用します。

分布

オオハムは、繁殖期には北ヨーロッパ、シベリア、カムチャツカ、アラスカの西部、さらにはバイカル湖やアムール川周辺に生息します。冬が訪れるとこれらの地域から南へ移動し、ヨーロッパの大西洋沿岸や黒海沿岸、さらに中国東部から日本海、東シナ海沿岸にかけて越冬地を見つけます。日本では、特に九州以北の沿岸で冬の間に見ることができます。

形態

オオハムは全長約72cm、翼を広げると約120cmに達する大型の鳥です。その体型はアビよりも大きく、シロエリオオハムよりも優れた体格を誇ります。頭の形は平らで、くちばしは黒く直線的であり、その形状はシロエリオオハムに比べて長くて太い特徴があります。オオハムの羽毛は季節によって変化し、夏羽では前頸部が緑色光沢のある黒色で、背中は黒に白の斑点が散らばっています。一方で冬羽では、背面が暗褐色で、腹部は白い羽毛に覆われています。また、泳いでいる際には後脇に白い部分が見え、幼羽は淡い褐色で背中に不明瞭なまだら模様を持っていることが特徴です。

生態

越冬中のオオハムは主に海上で生活していますが、時には沿岸近くの湖や河口、港湾にも姿を現します。警戒した際には体を水面近くまで沈めることで敵から身を守ります。その食性は主に魚に依存しており、潜水して捕まえるスタイルを取ります。また、飛翔する際には水面を蹴って助走を行い、翼を小刻みに動かしながら直線的に飛び立ちます。

オオハムはその大きさと美しい羽色から、多くの観察者に愛されています。冬の日本海沿岸での姿は、鳥類観察や自然愛好家にとって貴重な体験を提供します。これらの特徴的な行動や生態により、オオハムは多くの人々にとって興味深い存在となっています。

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