オオバアカテツ

オオバアカテツ（大葉赤鉄）

オオバアカテツ（学名：Palaquium formosanum）は、アカテツ科オオバアカテツ属に分類される常緑高木です。台湾やフィリピンを原産とし、日本では沖縄県で見ることができます。その特徴的な姿と生態から、様々な場所で利用され、また、保護の対象ともなっています。

特徴

オオバアカテツは、高さ5メートルから12メートル程度に成長します。葉は長さ10センチメートルから17センチメートルで、アカテツの葉と同程度かやや大きく、厚みがあり、全縁で互生します。葉は枝先に集まってつき、葉縁はやや裏側に反り返るのが特徴です。葉の基部が丸い点も、アカテツとの区別点となります。花は淡黄色で直径2.5センチメートルほどで、秋から冬にかけて開花します。この花は独特の香りを放ちますが、文献によってはやや臭いと表現されることもあります。花冠は6つに裂け、雄しべは12本から15本あります。果実は長さ5センチメートルほどの卵形をしており、緑色から茶色に変化します。この果実は、昆虫やオオコウモリなどの動物にとって重要な食料源となっています。

分布と利用

オオバアカテツは、台湾とフィリピンが原産地です。国際自然保護連合（IUCN）のレッドリストでは、絶滅危惧種（VU）に指定されており、その保全が重要視されています。種小名の「formosanum」は、台湾に由来しています。日本では沖縄県において、街路樹、公園樹、防風林として利用されており、人々の生活に身近な存在となっています。

近縁種

オオバアカテツの近縁種としては、同じオオバアカテツ属のガタパーチャ（学名：Palaquium gutta）が挙げられます。ガタパーチャは、より熱帯地域であるマレー半島からソロモン諸島にかけて分布しており、天然ゴム状の樹脂であるガタパーチャ（グッタペルカ）の原料として知られています。

まとめ

オオバアカテツは、独特な特徴を持つ植物であり、その生態は地域環境に深く関わっています。絶滅危惧種として保護の必要性が認識されており、今後もその保全活動が重要となります。

参考文献

大川智史; 林将之 『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄～八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、2016年。ISBN 9784829984024
沖田原耕作 『おきなわの園芸図鑑 園芸植物とその名前』新星出版、2021年。ISBN 9784909366832
林将之; 名嘉初美 『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、2022年。ISBN 9784899824350

外部リンク

オオバアカテツ ガジ丸が想う沖縄
オオバアカテツ オオコウモリの世界へようこそ
Natu, Palaquium formosanum IUCN Red List
* Palaquium formosanum Hayata Flora and Fauna Web, Singapore Government Agency Website

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