オオバアサガオ

オオバアサガオ（大葉朝顔）

オオバアサガオ（Argyreia nervosa）は、ヒルガオ科に属する多年生のつる性植物です。別名ギンヨウアサガオとも呼ばれ、インド亜大陸を原産としますが、ハワイ、アフリカ、カリブ海地域など世界各地に導入されています。観賞価値が高く評価される一方で、侵略的な性質も持ち合わせています。

一般的には、ハワイアン・ベイビーウッドローズ、エレファント・クリーパー、ウーリー・モーニンググローリーなどの名前で親しまれています。

種類

オオバアサガオには2つの変種が存在します。

Argyreia nervosa var. nervosa：本記事で解説する主な種類
Argyreia nervosa var. speciosa：アーユルヴェーダ医学で薬用として用いられる種類（向精神作用はごくわずか、または無し）

アーユルヴェーダの医学書『チャラカ・サンヒター』では、サンスクリット語で「アドーグダー」と呼ばれています。

歴史

アーユルヴェーダでは、根が16種類の薬用植物の一つとして重要視され、「vidhara」とも呼ばれています。20世紀半ばまで、その幻覚性は認識されていませんでした。

リベア・コリボサやソライロアサガオといった近縁種は、ラテンアメリカでシャーマニズムの儀式に用いられてきましたが、オオバアサガオが伝統的に同様の用途で使用された記録はありません。しかし、1965年の研究で、オオバアサガオの種子には、近縁種と比較して約3倍ものリゼルグ酸アミドが含まれていることが判明しました。1992年には、スリーピー・グラス（Achnatherum robustum）が最も含有量が多いと報告されています。

化学成分

オオバアサガオの種子には、様々な化学成分が含まれています。

Argyroside: オオバアサガオ特有のステロイド配糖体
エルゴリンアルカロイド: アグロクラビン、カノクラビンII、フェスツクラビン、リセルゲン、リゼルゴール、イソリゼルゴール、セトクラビン、イソセトクラビンなど（含有比率は不明）

また、種子にはリゼルグ酸アミド（エルジン）が含まれており、その立体異性体は乾燥重量の0.325%を占めるという研究結果があります。

法規制

多くの国で、オオバアサガオの種子の販売や発芽は合法ですが、摂取目的での購入は違法となる場合があります。国によっては、種子自体が違法とされているケースもあります。

動物実験

葉: 潰瘍モデルマウスを用いた実験では、Arygeria nervosa var. speciosaの葉のエキスを大量投与（50, 100, 200 mg/kg）することで、用量依存的な抗潰瘍作用と潰瘍治癒効果が確認されました。
根: オスのマウスに根のエキスを投与したところ、マウンティングや交尾行動の増加が見られ、媚薬としての効果が示唆されました。
花: オスのマウスに花のエキスを投与した実験でも、根のエキスと同程度の媚薬効果が確認されています。

参考文献

ジム・デコーン 著、竹田純子、高城恭子 訳『ドラッグ・シャーマニズム』1996年。ISBN 4-7872-3127-8。 Psychedelic Shamanism, 1994.

外部リンク

* PLANTS database entry （英語）

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