オオバイヌビワ

オオバイヌビワ（大葉犬枇杷）

オオバイヌビワ（学名：Ficus septica）は、クワ科イチジク属に分類される常緑高木です。その名の通り、大きな葉を持つことが特徴で、琉球列島に自生するイチジク属の中では最大級の葉の大きさを誇ります。

特徴

樹形: 常緑高木で、若枝には毛がなく滑らかです。
托葉: 披針形で先端が尖り、長さは2～3cm程度。
葉柄: 長さ1.5～3.5cmで、無毛です。
葉: 葉身は楕円形で、先端は丸みを帯び、基部も幅広くなっています。葉身の長さは通常10～20cmですが、最大25cmに達することもあります。幅は6～11cmで、縁は滑らかで両面ともに無毛です。
花嚢: 雌雄異株で、雌雄の花嚢は同じ形をしています。葉腋に1つずつ着生し、柄は短く太く、長さ2～3mmです。花嚢は平たい球形で直径1.3cm程度で、表面には白い点状の皮目が散らばっています。また、表面には縦の筋が見られます。成熟すると直径2cmほどになり、緑褐色を帯びます。

和名は、その大きな葉に由来しています。

分布

オオバイヌビワは、奄美大島以南の琉球列島に自生しています。国外では、台湾、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ニューギニア、オーストラリア、ポリネシアなど、広い範囲に分布しています。

近似種など

琉球列島に分布するイチジク属の植物の中では、特に葉が大きいことが特徴です。幅広くて光沢のある葉はよく目立ち、葉腋に単生する扁平な花嚢も、オオバイヌビワを見分ける上で重要な特徴となります。

参考文献

佐竹義輔他編著、『日本の野生植物　木本 I』（新装版）、(1999)、平凡社
横山潤、「イチジク」：『朝日百科 植物の世界 8』、(1997)、p.142-146
多和田真淳監修、『沖縄植物野外活用図鑑 第6巻 山地の植物』

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