オオバコ属

オオバコ属（Plantago）について

オオバコ属（Plantago）は、オオバコ科に属する植物のグループで、約200種もの多様な種を含んでいます。これらの植物は、南極大陸を除く世界中に広く分布しており、その適応能力の高さが特徴です。日本では、在来種に加えて、海外から持ち込まれた帰化種も数多く見られます。

オオバコ属の特徴

オオバコ属の植物は、そのほとんどが草本ですが、一部には灌木となるものも存在します。草本の場合、多くは根元から葉を出す根出葉を持ちますが、エダウチ[[オオバコ]]やホソバオオバコのように、地上茎を伸ばす種類もあります。葉は平行脈が特徴で、風によって花粉を運ぶ風媒花です。花は穂状に集まって咲き、果実は蒴果（さくか）と呼ばれる、横に裂けて種子を放出する形をしています。

オオバコ属の植物は、海岸の砂地、道端、荒れ地といった身近な場所から、高山の草原、湿地、乾燥地など、様々な環境に適応して生育しています。特に、西アジアの乾燥地や地中海沿岸地域には、多くの種が分布しています。

日本で見られるオオバコ属の主な種

日本には、以下の在来種と帰化種が分布しています。

在来種

オオバコ (Plantago asiatica): 日本各地で最もよく見られる種です。
ヤクシマオオバコ (Plantago asiatica var. yakusimensis): 屋久島に固有の亜種です。
エゾ[[オオバコ]] (Plantago camtschatica): 北海道や本州の高山に分布します。
ハクサンオオバコ (Plantago hakusanensis): 白山周辺に分布する種です。
トウオオバコ (Plantago japonica): 本州に分布するやや小型の種です。

帰化種

アメリカオオバコ (Plantago aristata): 熱帯アメリカ原産で、別名ノゲオオバコとも呼ばれます。
ホソバオオバコ (Plantago arenaria): 細長い葉が特徴です。
セリバオオバコ (Plantago coronopus): 地中海沿岸原産で、エルバステラとも呼ばれます。葉の形がセリに似ています。
ムジナオオバコ (Plantago depressa): アジア大陸東部原産で、やや湿った場所に生えます。
ニチナンオオバコ (Plantago heterophylla): 北アメリカ原産で、日本ではあまり見られません。
ヘラオオバコ (Plantago lanceolata): ヨーロッパ原産で、葉がヘラのような形をしています。オオバコよりも大型です。
セイヨウオオバコ (Plantago major): ヨーロッパ原産で、別名オニオオバコとも呼ばれます。
エダウチ[[オオバコ]] (Plantago psyllium): ヨーロッパから西アジア原産で、サイリウムとしても知られています。種子に含まれる水溶性食物繊維が豊富で、健康食品の原料として利用されています。
ツボミオオバコ (Plantago virginica): 北アメリカ原産で、タチオオバコとも呼ばれます。

その他の種

インドオオバコ (Plantago ovata): インド原産で、種子に食物繊維が多く含まれています。便秘薬や健康食品の原料、食品添加物サイリウムシードガムの主成分として利用されています。

オオバコ属の利用

オオバコ属の植物は、その種子や葉が様々な用途で利用されています。特に、インドオオバコやエダウチ[[オオバコ]]の種子は、食物繊維が豊富であるため、健康食品や便秘薬の原料として広く用いられています。また、一部の種は、民間療法にも利用されています。

参考資料

佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本Ⅲ 合弁花類』、1981年、平凡社
清水建美編『日本の帰化[[植物]]』、2003年、平凡社
米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」（YList）

外部リンク

オオバコ属 - 素材情報データベース＜有効性情報＞（国立健康・栄養研究所）
ブロンドサイリウム - 同
ブラックサイリウム - 同
セイヨウオオバコ - 同
ヘラオオバコ - 同
オオバコ (大葉子) - 同

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